研究課題/領域番号 |
23792167
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
重谷 佳見 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80397132)
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キーワード | レーザー / 象牙質・歯髄複合体 / 免疫組織化学 / 遺伝子 |
研究概要 |
本研究は、硬組織形成細胞の分化誘導や象牙質石灰化への関与が知られる各種非コラーゲンタンパクに着目し、ラット臼歯への半導体レーザー照射後のこれらの挙動を遺伝子,タンパクレベルで経時的に検索することにより、硬組織形成誘導への関与の実態の解明を図ろうとするものである。 前年度に確立されたリアルタイムPCRでの検出条件をもとに、各種非コラーゲンタンパク(osteopontin, dentin matrix protein 1, および bone sialoprotein)の遺伝子発現量を経時的に検索した。osteopontin, dentin matrix protein 1, および bone sialoproteinのmRNA発現レベルは、レーザー照射後上昇し、3日後にピークを示し、その後次第に低下を示した。 また、酵素抗体法により、レーザー照射後の象牙質・歯髄複合体での反応様式を象牙芽細胞分化マーカー(Heat-shock protein 25)、あるいは幹細胞/前駆細胞マーカー (nestin) 発現細胞の局在変化、歯髄中の5-bromo-2'-deoxyuridine (BrdU) 標識法による歯髄中の増殖細胞の動態解析を行った。その結果、低出力では、歯髄の損傷は軽度であり、前駆細胞の増殖分化過程を経ることなく象牙芽細胞様細胞の配列が生じたと思われる。一方、高出力では、原生象牙芽細胞が不可逆性に傷害されたものの、新生硬組織形成細胞出現の前段階として前駆細胞の増殖が開始されていることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に確立されたリアルタイムPCRでの検出条件をもとに、各種非コラーゲンタンパク(osteopontin, dentin matrix protein 1, および bone sialoprotein)の遺伝子発現量を経時的に検索を行う事が出来た。 さらに、酵素抗体法により、レーザー照射後の象牙質・歯髄複合体での反応様式を象牙芽細胞分化マーカー(Heat-shock protein 25)、あるいは幹細胞/前駆細胞マーカー (nestin) 発現細胞の局在変化、歯髄中の5-bromo-2'-deoxyuridine (BrdU) 標識法による歯髄中の増殖細胞の動態解析を行う事も出来た。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までの検索を継続して実施するとともに、以下の検索結果を項目ごとにまとめる。 <遺伝子発現解析> リアルタイムPCRでの遺伝子発現量の検索を継続するとともに、得られた結果を統計学的に定量解析する。 <組織学的・免疫組織化学的検索> 各種マーカー陽性細胞の経時的変化の検索を進めるとともに、画像解析法により各種検索対象細胞の分布密度や修復象牙質形成量の変化を統計学的に検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究結果を総括し、研究目的の達成状況・研究成果を検証し、論文にまとめると共に今後の研究の発展について検討する。なお、得られた結果は定期的に開催される国内学会(日本歯科保存学会)及び海外学会(International Association for Dental Research (IADR))にて発表し、意見交換ならびに情報収集を行う。 消耗品については,ラットの搬入・飼育を考慮に入れると,受益者負担の動物実験施設使用料を含め,年間約20の動物維持管理費用が見積もられる。遺伝子実験では、遺伝子実験施設施設料も含め、専用ポリメラーゼ等は高価であるため各年度において約20万円が見積もられる。Hsp-25, nestin, OPN, DMP-1等の抗体は高価であるため、各年度において約20万円の抗血清・試薬が見積もられる。また、本研究に関して1編の論文執筆を予定しており,論文校閲・別刷り代を算定している。
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