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2012 年度 実績報告書

客観的な齲蝕除去への光干渉断層画像診断法の応用

研究課題

研究課題/領域番号 23792188
研究機関日本大学

研究代表者

池田 昌彦  日本大学, 歯学部, 非常勤医員 (30508594)

キーワードOCT / 齲蝕除去 / 歯質厚径測定
研究概要

接着技術の進歩によって、歯質の削除を最小限の侵襲に留めることの必要性が強調されている。一方、窩洞を狭小化することのみに注意が払われると、感染歯質の取り残しなどの問題も生じるところから、予後良好な修復処置を行うためには、感染歯質を確実に除去しながらも、可及的に健康歯質を残すための明確な指標が必要となる。しかし、臨床家の多くは、齲蝕の除去に際して術者の経験などの主観に頼るところが大きく、客観的な齲蝕除去の指標は存在しないのが現状である。これらの臨床背景のもと、チェアサイドで非侵襲的かつ簡便に応用できる客観的な齲蝕象牙質除去法を確立することを目的として、齲蝕象牙質除去において重要となる歯髄腔までの距離を定量化し、客観的な測定が可能か検討した。
咬合面齲蝕を有するヒト抜去大臼歯に対して、齲蝕検知液を指標として、スチールバーおよびスプーンエキスカベータ-を用いて齲蝕除去を行い、齲蝕除去の各過程における歯髄腔までの距離を、OCTを用いて測定するとともに、レーザ顕微鏡を用いて歯質の縦断面を撮影し、得られた両測定値を比較、検討した。
その結果,齲蝕除去時の残存歯質厚径の測定は、研削深さが浅いあるいは中程度の場合、比較的表層での断層像の観察は可能であるものの、残存象牙質と歯髄腔を識別することは困難であり、測定不能であった。しかし、研削深さが深くなるにしたがって、残存象牙質と歯髄腔を識別することが可能となり、これによって得られた残存歯質の測定値はレーザ顕微鏡による縦断面像からの値と近似していた。
以上の結果から、 OCTを用いて齲蝕象牙質あるいは齲蝕影響象牙質の状態を把握しながら、残存歯質厚径の測定が可能であることが判明した。今後、プローブ形状を変更するなどの改良によって、より詳細な齲蝕象牙質の状態を観察することが可能であり、その臨床有用性が示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Ultrasonic investigation of the effect of S-PRG filler-containing coating material on bovine tooth demineralization2012

    • 著者名/発表者名
      Murayama R、Furuichi T、Yokokawa M、Takahashi F、Kawamoto R、Takamizawa T、Kurokawa H、Miyazaki M
    • 雑誌名

      Dent Mater J

      巻: 31 ページ: 954-959

    • DOI

      DOI:10.4012/dmj.2012-153

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 歯質の乾燥状態が光干渉断層画像に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      島村 穣
    • 雑誌名

      日本歯科保存学雑誌

      巻: 55巻 ページ: 333~339

    • 査読あり
  • [学会発表] 光干渉断層画像法の歯質残存厚径測定への応用

    • 著者名/発表者名
      飯野正義
    • 学会等名
      日本歯科理工学会学術講演会
    • 発表場所
      あわぎんホール(徳島県)
  • [学会発表] 象牙細管の走向がOCTイメージ像に及ぼす影響

    • 著者名/発表者名
      島村 穣
    • 学会等名
      日本歯科保存学会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター(沖縄県)
  • [学会発表] 次世代に向けた診査法 光干渉断層画像診断法(OCT)の歯科臨床への応用

    • 著者名/発表者名
      黒川弘康
    • 学会等名
      日本歯科医学会総会
    • 発表場所
      インテックス大阪(大阪府)
  • [学会発表] 象牙質の湿潤状態がOCTイメージに及ぼす影響

    • 著者名/発表者名
      島村 穣
    • 学会等名
      日本歯科保存学会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島県)
  • [学会発表] OCTを用いたシーラント填塞状態の観察

    • 著者名/発表者名
      古宅眞由美
    • 学会等名
      日本歯科保存学会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島県)
  • [学会発表] OCTによる乳歯の脱灰状況の観察

    • 著者名/発表者名
      村山良介
    • 学会等名
      日本歯科保存学会
    • 発表場所
      広島国際会議場(広島県)

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公開日: 2014-07-24  

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