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2011 年度 実施状況報告書

レーザーによる歯髄細胞分化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23792197
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

竹内 摂  大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (70548320)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード細胞・組織 / 炎症 / レーザー / 再生医学 / シグナル伝達
研究概要

本研究はヒト歯髄由来線維芽細胞を用いて,炎症性サイトカイン刺激がMMPs産生にどのような影響を及ぼすかを検討し,炎症伝達経路の解明及び象牙芽細胞分化について検討する.さらに炎症伝達経路に対する阻害剤を用いることによる影響を検討する. 上記の結果を踏まえヒト歯髄由来線維芽細胞に対するCO2レーザー照射を行い,炎症時におけるCO2レーザーの有効性について検討する.またレーザー照射による歯髄細胞活性,象牙質分化促進作用について検討し,歯髄組織再生の可能性を見出すことを目標として初年度の研究開始とした. MMPsはMMP1~28までの25種が存在する.膜結合型と分泌型に分類され,分泌型にはコラゲナーゼ群,ゼラチナーゼ群,ストロムライシン群,その他に大きく分類される.そして生体内に存在する種々の細胞外マトリックス成分を分解する. 炎症性サイトカインであるTNF-α刺激によるMMP-3の炎症伝達経路は我々の研究によりMEK-ERK1/2経路の関与を明らかにしている.また,MMP-3は他のMMPsを活性化することがすでに知られている.そこで初年度は,ヒト歯髄由来線維芽細胞におけるMMP-3による他のMMPsに関する活性を明らかにするために,ヒト由来歯髄線維芽細胞をTNF-α刺激しMMP-3以外のMMPsの産生を検討した. またLentiviral miR RNAi Expression Systemを用いて,炎症性シグナル伝達分子などに対するmiR RNAiのプラスミドを作製した.可能性のある炎症性シグナル伝達分子をピックアップし,ヒト歯髄由来線維芽細胞をノックダウンすることで,炎症性シグナル伝達経路を解明したい.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時の初年度の研究計画として,炎症性サイトカイン刺激によるMMPs産生の解明とヒト歯髄由来線維芽細胞におけるレーザー照射による影響という2つを軸に研究を進展させていく予定であったが,実際の研究の進行上,レーザーの照射条件を進展させていくよりも炎症性シグナル伝達分子の解明を軸として初年度の研究を進展させた.申請時との計画に変更があったもののおおむね初年度の計画は順調であった.

今後の研究の推進方策

初年度から引き続いてのLentiviral miR RNAi Expression SystemによるRNAiを行う.次年度は各種miRNAを発現するレンチウイルスを精製し,MMPs発現あるいは炎症伝達に関与する歯髄細胞に添加し,stableなクローンを分離する.このクローンを用いてTransmigration assayを行い,目的分子をノックダウンしTransmigrationにおける役割を検討する.さらに歯髄細胞にtransient なtransfectionを行い,目的分子のノックダウンによる影響を検討する.stableなクローンに,wild typeの分子を再発現させることによるレスキュー実験を行う.また,目的分子のmutantを発現した際の細胞の挙動を検討し,重要なアミノ酸配列を検討する. また今年度行わなかったヒト歯髄由来線維芽細胞におけるレーザー照射による影響についても各種レーザー光源を用いて検討する.

次年度の研究費の使用計画

上記研究を遂行するために必要な抗体,各種試薬,器具などに研究費を使用する.また,情報収集や研究成果を発表するために、国内外学会(日本歯科保存学会 他)への出張費も使用する予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Effect of GaAlAs semiconductor laser irradiation on the permeability of dentin and survival of dental pulp cells.2011

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Y.
    • 雑誌名

      J Osaka Dent Univ

      巻: 45 ページ: 7-16

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Effect of lysenin on the differentiation into osteoclast cells.2011

    • 著者名/発表者名
      Domae E.
    • 雑誌名

      J Oral Tissue Engin

      巻: 9 ページ: 3-9

    • 査読あり
  • [学会発表] PDGF-bbはヒト歯肉由来線維芽細胞においてMMP-1産生を増強する.

    • 著者名/発表者名
      川崎俊也.
    • 学会等名
      第9回日本再生歯科医学会学術大会・総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪市)
    • 年月日
      平成23年9月10日
  • [学会発表] コンポジットレジンの歯ブラシ摩耗について.

    • 著者名/発表者名
      小正玲子.
    • 学会等名
      日本歯科保存学会2011年度春季学術大会(第134回)
    • 発表場所
      東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾート(安浦市)
    • 年月日
      平成23年6月10日
  • [学会発表] ヒト歯髄由来線維芽細胞のMMP-3産生に及ぼすMAP kinaseの影響.

    • 著者名/発表者名
      加藤 侑.
    • 学会等名
      日本歯科保存学会2011年度秋季学術大会(第135回)
    • 発表場所
      大阪国際交流センター(大阪市)
    • 年月日
      平成23年10月19日

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公開日: 2013-07-10  

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