研究課題/領域番号 |
23792205
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
南 一郎 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70396951)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際研究者交流(オーストラリア・シドニー大学) / 顎運動 |
研究概要 |
本研究は、短縮歯列咬合(SDA)によるチューイングガム咀嚼時の機能的影響を定量化することを目的としている。本年度の到達目標は、システムの構築とガム咀嚼部位の違いが運動の滑らかさと咀嚼効率に与える影響を明らかにすることであった。3軸加速度センサーを下顎オトガイ下部に貼付する簡便な測定を構築した。3軸の加速度を時間微分した、躍度から算出されるJerk-costを運動の滑らかさの評価パラメータとした。また、被験食品は2色のガムを用いて、10回咀嚼後の2色の混和度を咀嚼効率の評価パラメータとした。10名の有歯顎咬合者に対して、以下の2つの条件をランダムな順序で行った。1.臼歯部咀嚼(小臼歯と大臼歯での咀嚼)、2.前歯部咀嚼(犬歯と第一小臼歯での咀嚼)。2つの条件の比較により、以下の所見を得た。ガムの混和度は条件2において有位な低下が認められた(P=0.0051)。Jerk-costは開口相、閉口相ともに、有意差は認められなかった(開口相 P=0.25,閉口相 P=0.42)。従って、本年度の実験から、健常有歯顎者の犬歯と小臼歯のみを用いた咀嚼において、咀嚼効率は低下するが、運動の滑らかさには影響を与えないことが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず、3軸加速度センサーを用いた顎運動測定システムの確立を行うことが、本年度の第一課題であったため、得られた結果を考慮すると、順調に進展していると考えられる。しかし、センサーが現状は3軸加速度のみを搭載した物であるが、さらに適した6軸、すなわち3軸加速度、3軸角速度センサーが内蔵されたセンサーが発売されたため、今後さらなるバージョンアップが必要となることが見込まれる。これらの状況を踏まえると、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
センサーが現状は3軸加速度のみを搭載した物であるが、さらに適した6軸、すなわち3軸加速度、3軸角速度センサーが内蔵されたセンサーが発売されたため、今年度はこれを用いて顎運動測定システムをバージョンアップすることを試みる。このシステムにさらに筋電図を追加することにより、短縮歯列の機能的影響の探索を多角的な方法で行うことが可能となる。
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次年度の研究費の使用計画 |
顎運動測定システムのバージョンアップに費用が必要となる。その後は、生理学的な知見からの検討を行うために、共同研究者であるGregory Murry教授に意見を伺う予定である。旅費の捻出が必要となる。また、これらにより、得られた成果は国内外における学術大会で発表し、論文としてまとめて国際雑誌に投稿する予定である。従ってそれらの費用が必要となる。
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