研究課題/領域番号 |
23792206
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
岩城 麻衣子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (70544500)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | ランダム化比較試験 / 軟質義歯裏装材 |
研究概要 |
通常のレジン床義歯では対応できない無歯顎顎堤において,レジン床義歯の粘膜面に軟質義歯裏装材が使用されることがよくある。しかし軟質義歯裏装材については患者を用いた研究が少なく,臨床効果については疑問も多い.特に,数種類存在する軟質義歯裏装材には,それぞれ異なる硬さの値が設定されているが,それぞれに対する適応症例などは不明であり,軟質義歯裏装材を用いた義歯治療は術者の経験的判断により行われていると言わざるを得ない.本実験では,ショア A硬さが明らかに異なる2種類の軟質義歯裏装材を下顎無歯顎患者に使用し,治療効果を比較することとした. 被験者は東京医科歯科大学歯学部附属病院にて全部床義歯を製作したメンテナンス中の無歯顎患者1名を用いた。患者の顎堤はCowoodとHowellによる顎堤分類を行った.軟質裏装材は,ジーシーリラインウルトラソフト(ショアA硬さ:18)(以下,GUS)とジーシーリラインソフト(ショアA硬さ:48)(以下,GS)を使用した.患者は置換ブロック法でランダムに軟質裏装義歯GUS群と軟質裏装義歯GS群に割り付け,それぞれの群の義歯を使用した後,1ヶ月のウォッシュアウト期間を設け,他方の群の義歯を使用してもらうこととした.どちらの軟質裏装義歯かは患者に盲検化する.評価項目は,患者満足度,患者QOL評価,機能評価を行う.患者満足度は当分野で作成したVASを用いたアンケートを使用する.患者QOL評価はOHIP-EDENTを用いる.機能評価は,ガムを用いた咀嚼能力試験,ブルーシリコーンを用いた咬合接触面積試験,オクルーザルフォースメーターを用いた咬合力試験を行う. 今後,サンプル数増加に向け,慎重に準備を行っているところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
過去の同様の研究において,試験用義歯作製過程における義歯の複製方法では,患者への負担が大きく,精度も良好とは言えなかった.そこで今回,患者使用中義歯の複製において,過去の研究とは異なる新しい方法を用い,改善を試みた.その方法は当分野にて開発したCAD/CAMを用いた義歯作製方法による.そのため,本研究の流れを確立する上で慎重な予備試験の遂行と研究計画の見直しを行ったことによる.
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今後の研究の推進方策 |
研究方法における複製義歯作製方法の見直しを行い,確立した上で研究の流れを改善し,サンプル数を増やす予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
複製義歯作製法の変更に伴い,必要物品の購入,消耗品の購入を行う.また,収集したデータの処理や学会発表に必要な器材についても購入予定.情報収集や研究発表のため,学会参加にかかる費用も捻出する予定である.
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