研究課題/領域番号 |
23792207
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
服部 麻里子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (70418664)
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キーワード | 補綴 / 発話 |
研究概要 |
4月にコンピューター音響解析ソフトウエア(OscopeBasic)を追加購入してバージョンアップし,患者を被験者とした検査を行った.本学歯学部附属病院顎義歯外来に通院中の有床義歯装着患者男性15名女性15名のうち,一ヶ月以上義歯を問題なく使用している者を患者群とした.義歯装着時と非装着時における発話能力を評価した.またそれぞれの被験者において,従来の聞き取りによる方法として発語明瞭度検査と会話明瞭度検査を行った.ナゾメーター検査やフォルマント分析など他の音響分析も合わせて行い,結果を比較した.昨年度の結果より正常者では実験的口蓋床装着時は非装着時と比較して心理音響値であるシャープネスの値が低くなり,また音声認識スコアも低下した.義歯装着患者では義歯装着時は非装着時と比較してシャープネスの値が有意に高くなり,音声認識スコアも上昇した.検査システムによる結果と会話明瞭度に相関がみられた.また患者では検査システムによる結果と発語明瞭度検査,会話明瞭度検査の結果にそれぞれ相関が見られた.本研究は従来の検査方法と比較して義歯装着患者の発話能力を迅速かつ客観的に評価し義歯の設計や調整に反映させる点で大変重要である.これらの結果について7月から10月にデータのまとめと解析を行い,3月に国際学会IADRにて成果発表を行った.国際的に着目される発表内容であった.11月より論文執筆をはじめ,数回英文校正を行った.今後校正の後に国際誌に投稿予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り達成できている。
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今後の研究の推進方策 |
学会で得られた情報を元に追試験を実施し、論文を作成する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
学会発表のための旅費として使用するほか、論文作成に使用するソフトウエアを購入する予定である。
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