補綴治療を必要とする下顎領域(下顎・舌・口底)の口腔腫瘍術後患者に対して、術前から術後1年を通して機能評価を実施し、咀嚼機能の回復に影響を与える因子を検討した。 その結果、術後経過日数により影響する因子は異なり、舌根部の切除や化学療法、放射線治療、手術後に残っている歯の本数および術前の咀嚼能率が影響を及ぼす因子となっている可能性が示唆された。 さらに、これらのデータから術後1・3・6・12か月時における咀嚼機能の予測式が算出された。術後12か月では決定係数0.867の予測式が得られ、予測式をデータベースに組み込むことによって、実測値との比較をすることが容易となり、臨床において研究結果を反映させることが可能となった。 咀嚼機能回復度における検討後、嚥下機能回復度においても同様の分析を行い、予測式を算出した。 現在、QOLに関しては口腔腫瘍患者のもつ傾向を分析しており、手術前後での比較検討を行った結果は学会にて発表した。今後はQOLに影響する因子を探求し、それらについて分析を行う予定である。
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