研究課題/領域番号 |
23792227
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
峯 篤史 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60379758)
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キーワード | 接着ブリッジ / ブリッジ / 長期予後調査 / 臨床データ蓄積システム |
研究概要 |
岡山大学医歯薬学総合研究科倫理委員会へ研究遂行の許可申請に先立ち、Research Question(①ブリッジの種類によって累積生存率が異なるか?②ブリッジのトラブルの発生に関与するリスク因子は何か?)を決定した。続いて岡山大学医歯薬学総合研究科の研究倫理委員会の指針に則り、【包含基準】・【除外基準】・【予測因子】・【結果因子】・【交絡因子】・【ブリッジカルテから抽出項目】・【診療録から抽出項目】・【統計解析】を設定した。なお、【結果因子】はトラブルの種類として「ブリッジ脱離・脱落(カリエス,歯根破折,歯冠破折,その他は具体的に記載」「ブリッジ除去(カリエス,根管治療,その他は具体的に記載)」「抜歯,ヘミセクション(カリエス,歯冠破折,歯周炎,歯根破折,根尖性歯周炎,その他は具体的に記載)」「ブリッジの破損」とし、【交絡因子】は「装着部位:前歯,臼歯上顎,下顎」「咬合状態(ブリッジカルテ記載項目):普通,緊密,ほとんど接触せず」「接着操作(ブリッジカルテ記載項目):金属付着面処理,歯質被着面処理」「装着材料(ブリッジカルテ記載項目):パナビア,SB,その他」「装着時の年齢」「性別」「機能期間:診療録から装着日,トラブル発生日,最終来院日を確認する」「残存歯数(装着時)」「支台歯:生活歯,失活歯」とした。さらに、【研究手順と分担】・【予想される医学上の貢献】を明記した。 作成した申請書は、平成24年9月に提出し、10月23日開催の倫理委員会にて書類審査を受け、承認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成24年度は岡山大学倫理委員会の承認を受け、統計解析ソフトおよび周辺機器を購入し、研究を遂行する体制は整えられた。しかしながら、研究進行は遅れている。 その原因の一つとして、研究代表者が平成24年度より診療録が保管されている岡山大学から大阪大学に所属研究機関を変更しており、研究遂行に困難が伴うこととなったことが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
1.ブリッジカルテを用いた前向きコホート調査 1-1)接着ブリッジ・従来型ブリッジ装着した患者の追跡予後調査:本申請研究では、一定期間内に当科で接着ブリッジ行った患者全数を対象として経過を確認する。次に、トラブル(抜歯、脱離、二次カリエス等)を結果因子とし、各種予測因子(年齢、性別、歯種、部位、補綴物の種類および材質、DMFT、被着面処理、接着材の種類、対合歯の種類等)を抽出し、結果因子に対する相対危険度の検出を行う。 1-2)累積生存曲線:続いてトラブルの種類を確認の上、非生存と判断するイベントを確定し、累積生存曲線を作成する。 2.支台歯の生存に関わるリスク因子を同定 2-1)内的妥当性の検討(両群間のベースラインデータの確認):口腔内環境の変化を示す代表的な因子として、接着ブリッジ群と従来型ブリッジ群の残存歯数の変化を比較する。これにより、口腔内環境因子が両群の結果に影響を与えているか否かを確認する。 2-2)各リスク因子と結果因子の調査:ブリッジ失敗(トラブル)の内訳を調査し、各リスク因子を再検討し、予測因子を再設定する。 2-3)支台歯生存のリスク因子を同定:Cox比例ハザードモデルに設定した予測因子と結果因子ならびに「接着ブリッジか従来型ブリッジか」も一因子として投入し、支台歯生存に影響を与えるリスク因子を同定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
これまで設備備品の設置は計画どおり遂行している。 平成25年度の研究費としては、成果発表費50,000円、研究補助費20,000円を予定していた。上記のとおり、研究者が大阪から岡山に出張する必要が出ているため、当初の予定よりその費用が多くなるものの、研究遂行に大きな問題はないと考える。
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