研究課題/領域番号 |
23792227
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
峯 篤史 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60379758)
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キーワード | 接着歯学 / 長期予後調査 / 接着ブリッジ / ブリッジ |
研究概要 |
本研究は,接着ブリッジならびに従来型ブリッジを装着した際の詳細な情報が記入されているブリッジカルテ(接着ブリッジには12個,従来型ブリッジには11個のチェック項目が設定)を元に診療録と照らし合わせることにより,接着ブリッジならびに従来型ブリッジの長期経過を確認することを目的としている. 平成24年度に岡山大学医歯薬学総合研究科の研究倫理委員会から研究実施の承認を受け,「結果因子・予測因子」は以下のとおり確定しており,現在ブリッジカルテからは119名のデータ,診療録からは56名のデータを採取している.今後データ数を増やし,「接着ブリッジ・従来型ブリッジを装着した患者の追跡予後調査」および「ブリッジのトラブル発生に関連したリスク因子の検討」を進めていく予定である. <予測因子> ブリッジの種類:接着ブリッジ,従来型ブリッジ <結果因子> トラブルの種類(原因も可能な範囲で調査する)は診療録に以下の記載があったものとする.ブリッジ脱離・脱落(カリエス,歯根破折,歯冠破折,その他は具体的に記載)/ブリッジ除去(カリエス,根管治療,その他は具体的に記載)/抜歯,ヘミセクション(カリエス,歯冠破折,歯周炎,歯根破折,根尖性歯周炎,その他は具体的に記載)/ブリッジの破損 <交絡因子> 装着部位:前歯,臼歯上顎,下顎/咬合状態(ブリッジカルテ記載項目):普通,緊密,ほとんど接触せず/接着操作(ブリッジカルテ記載項目):金属付着面処理,歯質被着面処理/装着材料(ブリッジカルテ記載項目):パナビア,SB,その他/装着時の年齢/性別/機能期間:診療録から装着日,トラブル発生日,最終来院日を確認する./残存歯数(装着時)/支台歯:生活歯,失活歯
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は研究代表者が臨床データの存在する岡山大学から大阪大学に移動したことにより,研究全体の進行が遅れている.そのことにより,26年度に研究期間の延長することとなった.現在,臨床データの蓄積方法は確立し,順調にデータ量が増えていることから平成26年度はデータ解析が行えると考える.
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今後の研究の推進方策 |
1)接着ブリッジ・従来型ブリッジを装着した患者の追跡予後調査:まず,ブリッジカルテを確認し,選択基準を満たした対象を抽出し,対象リストを作成する.対象リストは連結可能匿名化とする.対象リストに従って,対象者の診療録とブリッジカルテから装着されたブリッジの生存期間を調査する.そして,ブリッジの脱離,ブリッジの除去,抜歯などのトラブルが起こった場合を非生存,起こらなかった場合を生存とし,カプランマイヤー法を用いて累積生存曲線を作成し,ログランクテストにて有意差検定を行う.追跡不能患者は転医,死亡などにより来院できなくなった患者および観察終了日以前の2年間当院の受診歴がない患者とし,最終来院日をもって生存として観察を打ち切る.観察終了日は平成25年3月31日とする. 2)ブリッジのトラブル発生に関連したリスク因子の検討:前述の対象リストを元に行う診療録とブリッジカルテの調査において,下記の予測因子,結果因子,交絡因子を抽出し,エクセルファイルに入力する.この際,除外になった対象については,除外理由を記録する.トラブル(抜歯,脱離・脱落,除去等)を従属変数とし,予測因子および交絡因子を説明変数としてCox比例ハザード解析を行い,ブリッジのトラブル発生に関係する,独立したリスク因子の検討を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究は平成25年度に論文投稿料と印刷費(別刷り料)を計上していた.しかしながら,研究進行が遅れ,成果の発表をまだ行えていない.このことにより,次年度使用額が生じた. 成果の発表を次年度に行うことにより,この経費を適切に運用する予定である.
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