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2011 年度 実施状況報告書

骨芽細胞分の分化およびメカニカルストレス応答性におけるAMPKの役割

研究課題

研究課題/領域番号 23792240
研究機関鹿児島大学

研究代表者

葛西 貴行  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30457650)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード骨芽細胞 / メカニカルストレス / AMPK / シグナル伝達 / 細胞分化
研究概要

メカニカルストレスは骨組織における重要な代謝調節因子であるが、その分子メカニズムは不明な点が多い。これまでの研究で、骨芽細胞におけるメカニカルストレス応答遺伝子としてAMPキナーゼ(AMPK)を同定し、マウス骨芽細胞株であるMC3T3-E1細胞の分化過程においてAMPK活性が低下することを確認した。また、AMPK活性化剤によりAMPKの活性を維持させるとRUNX2および骨芽細胞分化マーカーの発現が低下し、骨芽細胞の分化が著明に抑制されることが分かった。そこで、メカニカルストレスによるAMPK活性の誘導と骨芽細胞分化シグナルとの関連を明らかにするために、MC3T3-E1細胞に低周波超音波(LIPUS)刺激を与えたところ、AMPK活性の低下が認められた。このことは、LIPUS刺激によるAMPK脱リン酸化の誘導が骨芽細胞分化に重要な意義を持つ可能性を示している。研究成果は、日本補綴学会九州支部会にて発表した。今後はLIPUSと細胞内分化伝達シグナルにおけるAMPK活性の相互関係について、より詳細な解析を行っていく予定である。なお、本年度の研究実施計画に基づき、骨芽細胞分化シグナル伝達におけるAMPKの意義を明らかにするため constitutively active AMPKの発現誘導を行う計画であったが、AMPK発現ベクターの骨芽細胞へのトランスフェクションが成功していない。これについても継続して行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度はconstitutively active AMPKの発現誘導を行い、骨芽細胞分化シグナル伝達におけるAMPKの役割を解析する予定であったが、作製したAMPK発現ベクターのトランスフェクションが成功しておらず、計画より遅れているため。

今後の研究の推進方策

骨芽細胞におけるメカニカルストレス応答性遺伝子の網羅的解析により、AMPKを含む複数の遺伝子を同定した。AMPKの骨芽細胞における機能は不明な点が多いため、本研究を始めるに至った。AMPK活性が骨芽細胞分化に影響を与えることを明らかにしたが、分化シグナル伝達における役割を次年度は解析する予定である。また、骨芽細胞のメカニカルストレス応答性におけるAMPKの意義解析も進めていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、MC3T3-E1細胞においてconstitutively active AMPKを発現誘導させ、骨分化関連転写因子および骨形成マーカー遺伝子の発現レベルの変化をリアルタイムPCRやノーザンブロット法により定量し、骨芽細胞分化シグナルにおけるAMPKの意義を解析する。また、constitutively active AMPKを発現誘導させたMC3T3-E1細胞に対しLIPUS刺激を与え、同様に骨分化関連転写因子および骨形成マーカー遺伝子の発現レベルの変化を解析し、骨芽細胞のメカニカルストレス応答シグナルにおけるAMPKの意義を明らかにする。研究費は、これらの実験に必要な細胞培養培地,試薬,プラスチック容器の他、研究成果を発表するための旅費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低周波超音波刺激が骨芽細胞分化シグナル伝達に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      葛西貴行,川本真一郎,長岡英一,松口徹也
    • 学会等名
      日本補綴歯科学会九州支部学術大会
    • 発表場所
      長崎県歯科医師会館
    • 年月日
      2011年11月6日

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公開日: 2013-07-10  

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