研究課題/領域番号 |
23792242
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
槙原 絵理 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (30433402)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 睡眠時無呼吸症候群 / 口腔内装置 / 治療用顎位 |
研究概要 |
睡眠時無呼吸症候群患者に対する口腔内装置の適正な治療用顎位の検討にあたり,まず,異なる下顎開口量によって生じる気道開存度および周囲軟組織の形態の変化を観察し,閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に対する口腔内装置(OA)を製作する際の最も適切な下顎開口量を検討することとした. 被験者は本学歯学部生および医療従事者の中で,研究目的を理解し同意を得た者で,1晩酸素飽和度モニター記録を行い,酸素飽和度低下指数(Oxygen Desaturation Index:ODI)<5の者とする.除外基準として,現在矯正治療中の者,耳鼻咽喉領域に疾患をもつ者とする.各被験者に仰臥位をとらせ,下顎50%前方位における4つの異なる下顎開口量(0,5.0,10.0および15.0mm)と中心咬合位でのMRI撮像をい,下顎開口量の増加に伴う気道体積量,気道最大狭窄度および気道の2Dおよび3D形態の変化について検討する. 本研究では,研究対象が顎口腔機能に問題を認めない正常有歯顎者を予定しているため,当大学研究倫理委員会への申請を行い,平成23年11月14日付,九州歯科大学研究倫理委員会の承認を得ている(承認番号11-35).さらにバイトブロックの製作方法についての検討と.MRI撮像後,解析ソフトを用いて3D画像の構築と体積計測方法の検討を可及速やかに行い,被験者を募り研究を開始する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究に先立ち,当大学倫理委員会の承認を得るまでに時間がかかり,開始が遅れている. また,患者を50%前方位群,75%前方位群に分け,それぞれの治療効果について検討する研究においても当大学倫理委員会の承認後,速やかに研究開始する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
1.異なる下顎開口量によって生じる気道開存度および周囲軟組織の形態の変化の検討については,引き続き被験者を募り,研究をさらに進める予定である.また,本来の研究課題である短期的な口腔内装置装着による治療効果および副作用の検討についても早急に当大学倫理委員会の承認を得て,研究を開始する.
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次年度の研究費の使用計画 |
短期的な口腔内装置装着による治療効果および副作用の検討(1) 被験者:術前PSG検査においてOSASと診断され,OAによる治療の必要性が認められた成人患者で,研究に対する説明を受け研究の参加に同意した者とする.但し,カリエス, 歯周病,顎関節症など口腔顔面領域における疾患を有する者,あるいは,今後1,2年の間に減量療法,外科的療法,内科的療法など医科的OSAS治療を予定している者は本被験者から除外する.さらに,全被験者をランダムに2つの治療群(ケースグループ:50%前方位OAグループ,コントロールグループ:75%前方位OAグループ)に分類する.(2)OAの製作:各被験者の上下顎印象採得後,模型を製作する.次に全被験者をランダムに2つの治療群に分類し,ケースグループは50%前方位,コントロールグループは75%前方位で咬合採得を行う.(3)検査項目:術前および装置装着4週間後に,以下の4項目(1.PSG検査 2.エプワース睡眠尺度3.顎関節診査4.口腔内診査)について診査を行い,2つの治療グループにおける治療効果および生じる副作用の程度についてデータ解析を行い比較検討する.(4)発表:得られた研究成果を国内外の主要学会で報告するとともに,論文を作成する
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