研究課題/領域番号 |
23792265
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 |
研究代表者 |
唐帆 純子 (中島 純子) 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 助教 (20534853)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 嚥下障害 / 嚥下圧 |
研究概要 |
嚥下障害のリハビリテーションの一環として適応される舌接触補助床について、その効果の定量的評価方法を確立、また舌の舌接触補助床に対する接触動態が嚥下機能へ及ぼす影響を解析することを本研究の目的としている。本研究では、舌と舌接触補助床の接触状態は舌圧を用いて表し、嚥下機能を咽頭圧およびVFで評価することとし、(1)咽頭圧測定とVFおよび舌圧測定の各測定システムの同期記録システムの構築、(2)データ収集、(3)データ解析から構成することとした。 本年度においては咽頭圧測定、VFおよび舌圧測定の各計測システムを統合した新システムの構築および、本システムを利用したデータ集積を行った。測定システムの構築においては、咽頭圧測定装置にVFの画像データを入力することにより同期計測を行うMano-fluorographyのシステムを基盤として利用した。別の既存の舌圧測定システムにおいて計測開始時に認められる電圧の変動を出力させ、これを咽頭圧測定システムに入力することにより舌圧、咽頭圧、VFの3システムの時間軸を一致させるシステムを構成した。本学倫理委員会の承認を得て、被験者(52歳、男性。舌癌、舌亜全摘出、腹直筋皮弁再建患者)に対して舌接触補助床装着および、非装着時に本システムを用いた嚥下機能評価を行った。その結果、本システムは既存の嚥下機能評価に比して測定手順が煩雑であり、計測者および非計測者への負担が若干大きいことも明らかになった。すなわち、咽頭圧測定システムの既存装置を利用したため入力ポートに制限があり、舌圧の電圧入力にあたり外部入力端子の着脱を一つの測定動作中に複数回行う必要が生じ、計測時間の延長および計測者の増員を要した。本問題点を改善すべく、現在装置のコネクター部の改善を行う予定であり、より円滑な測定システムを利用したデータ収集を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究における測定システムを被験者に対して応用を行った結果、本システムは既存の嚥下機能評価に比して測定手順が煩雑であり、計測者および非計測者への負担が若干大きいことが明らかになった。本問題点を改善すべく、現在装置の咽頭圧測定装置の入力ポートの増設を行っており動作確認中である。そのため一時被験者のデータ収集を中断しているため、データ解析に若干の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度実験結果に基づき、本研究で新たに構成を行った計測システムの改良を現在行っている。システムの動作確認終了後に患者データの収集を再開する予定である。その後データ解析を行う予定であるが、本研究の性格状RCTは困難であり、被験対象が患者であるため計測のタイミングも考慮する必要がある。そのため、本研究における舌の舌接触補助床に対する接触動態が嚥下機能へ及ぼす影響の解析は、各被験者の個体内の比較について考察する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
咽頭内圧測定システム構成にあたり、システム構成を吟味、選定した結果予算を抑えることができた。次年度においては、計測環境を拡大するために、現在の重量のあるキャリブレーションポンプを軽量化する予定である。また、消耗品として舌圧測定シートおよびHDDを購入する予定である。また、平成23年度に東日本大震災の影響で中止となった学会出席予定も、次年度に繰り越す予定としている。
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