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2012 年度 実施状況報告書

培養細胞シートとナノコーティングスキャホールドによる歯周組織再生

研究課題

研究課題/領域番号 23792267
研究機関北海道大学

研究代表者

下地 伸司  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30431373)

キーワード培養細胞シート / 歯周組織再生 / コラーゲンスキャホールド
研究概要

本年度は、最初に昨年度に引き続き培養細胞シートの作製を行った。まずF344/Jclラットの大腿骨骨髄を用いた骨髄細胞シートの作製方法を改善し、効果的な細胞シートの確立に努めた。具体的には5週齢のラットの大腿骨を摘出し、骨髄を採取し、骨髄由来の付着性細胞を10%FBS、1%抗生物質添加αMEMにて培養した。7日後に継代し、1つのフラスコを前述の培地にアスコルビン酸、β-グリセロリン酸、デキサメタゾンを添加させたものに変更した。その後、2、3日置きに積層し、培養14日後にトリプシン-EDTAで処理しディッシュから剥離し、細胞シートを完成させた。
次にこの細胞シートを剥離し、コラーゲンスポンジ上に設置後、12週齢F344/Jclラット頭蓋骨に骨窩洞を形成後、埋植し、骨新生状態についての組織学的な評価を行った。H-E染色を用いた組織学的評価から以下の結果を得ることができた。①埋植物周囲には炎症は認められず、生体親和性が良好であることが示唆された。②4週後においては埋植物の残存はみられず、吸収性に優れていることが明らかになった。③成長因子FGFを併用した場合が、コラーゲン単体またはコラーゲンと細胞シートのみを併用したものよりも骨新生が起こることが明らかになった。
これは従来行われてきた細胞シートを用いた再生療法よりも簡便かつ短期間で行える方法であり、臨床レベルにおいても比較的実現の可能性が高い方法と言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度はビーグル犬を用いた実験的歯周炎モデルに対して、本細胞シートを用いた新規歯周組織再生療法を用いてその有効性を評価する予定であったが、適切な細胞シートの作製およびスキャホールドへの設置方法の確立に時間を要したため、目標よりは達成度は遅れている。

今後の研究の推進方策

次年度以降は新規スキャホールド(β-TCPナノコーティングコラーゲンスポンジ)に使用した際の有効性をビーグル犬を用いて評価していく予定である。
また細胞シートはスキャホールド上で直接培養し、作製した場合、より簡便かつ確実になる可能性が昨年度の研究から示唆されたため、その方法についてもラットで検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

本年度も昨年度に引き続き既存の実験動物、実験試料、試薬を使用することができたため、研究費を抑えることができた。さらに他の助成金も獲得できたため、国際学会参加費を抑えることができた。
その繰り越し金と合わせて本年度は比較的高価なビーグル犬を用いた動物実験を進める予定である。
また得られた知見は国際学会での発表および英文論文誌に投稿を予定しているため、学会参加費、投稿料、英文校正料などにも使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Histochemical examination on osteocytes and their lacunae after administration of parathroid hormone in mice.2012

    • 著者名/発表者名
      Hongo H, Sasaki M, Yamada T, Hasegawa T, Yamamoto T, Nakano T, Shimoji S, Amizuka N
    • 学会等名
      22nd ANZBMS Annual scientific meeting with 1st Asia-Pacific Bone & Mineral Research Meeting
    • 発表場所
      Pan Pacific Perth Hotel (Australia)
    • 年月日
      20120902-20120905

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公開日: 2014-07-24  

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