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2011 年度 実施状況報告書

硬組織形成を誘導し、直接結合可能な高機能レジンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23792268
研究機関北海道大学

研究代表者

中塚 愛  北海道大学, 大学病院, 医員 (00547648)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード4-META/MMA-TBBレジン / 生体活性材料 / 硬組織誘導
研究概要

4-META/MMA-TBBレジンのポリマー粉末に、5~10μmの炭酸カルシウム、β‐TCP、α‐TCP粉末を0~80%の濃度で混合し、各粉末にモノマー液とキャタリストを加えて硬化させ、硬化体の曲げ強度、象牙質に対する引っ張り強さ、水中へのCa2+溶出量、エネルギー分散型X線分光法(EDS)分析による硬化体表面の元素分析などを行い、Ca2+が溶出し、必要な強度を有する混合材料とその至適含有量を探策した。その結果、すべての混合材料で、濃度が高くなるに従い曲げ強度は低下した。牛歯象牙質への引っ張り強さは、β‐TCPを混合したものが、他2つと比較して有意に低下した。また、すべての混合材料で、濃度が高くなるに従い引っ張り強さは低下し、濃度60%で約6割となった。FTIRおよびEDSでは、β‐TCPでは他2つと比較しCa2+溶出量は少なく、すべての材料で濃度が高くなるほどCa2+溶出量は多くなった。以上の結果から、接着強さや物性が許容できCa2+溶出が多いα‐TCP40%、60%と炭酸カルシウム濃度40%、60%が混合材料として適当と考えられた。次に、炭酸カルシウム、β‐TCP粉末を0、40、60%の濃度で混合した4-META/MMA-TBBレジンを、直径1mm、長さ4mmの円柱形に硬化させ移植試料を作製した。ラット下肢大腿骨の骨髄腔に穿孔し、この試料を移植、2、4週後に脱灰薄切標本を作製、HE染色し、試料表面への骨形成、試料と新生骨との間の軟組織の幅を観察した。その結果、炭酸カルシウム含有レジンがβ‐TCP含有レジンより、介在する軟組織が少なく、試料と骨の接触率が高いことが示唆された。また、濃度が高くなるにしたがって、試料と骨との接触率は向上した。術後8週の評価はまだ行えていないが、術後4週までの結果では、炭酸カルシウムを含有したものが、骨との結合を促進させる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

4-META/MMA-TBBレジンに混和する材料とその至適含有量は決定できた。しかし、交付金減額の可能性があったため、動物実験計画の一部修正を検討していて、開始する時期が遅くなった。そのため、8週群の組織学的評価が行えていない。

今後の研究の推進方策

炭酸カルシウムとαTCPを、それぞれ40%、60%含有した4-META/MMA-TBBレジンとラット大腿骨との結合状態をSEMにて観察する。また、犬の歯根に移植し、病理組織学的にポケット上皮の下方増殖量、セメント質形成量、セメント質とレジンの結合状態を評価する。

次年度の研究費の使用計画

未使用額103666円は、平成24年3月に購入した実験器具の支払いが4月以降になるため生じたものである。さらに中型動物を用いた実験で、病理組織学的評価を行うため、実験動物(ビーグル犬)や薬品類、ガラス器具やプラスチック器具類を主体とし、さらに学会発表や論文投稿に研究費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 炭酸カルシウムが4-META/MMA-TBBレジン上への骨形成に与える影響2012

    • 著者名/発表者名
      逸見 優
    • 雑誌名

      北海道歯学雑誌

      巻: 32 ページ: 114-123

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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