研究課題
パウダージェットデポジション(PJD)法は,歯の主成分であるハイドロキシアパタイト(HAp)微粒子を常温常圧環境下(室温・大気圧環境下)において歯質上に高速で衝突させ,接着材を介することなく,直接HAp膜を形成する技術である.しかし,HAp膜の研磨法に関する検討や口腔内環境下におけるHAp膜の耐久性に関する評価は行われていない.本研究では,新たに作成したハンドピース型PJD装置を用い,エナメル質に成膜を行い,既存の歯質や修復物の研磨システムを応用し,HAp膜の研磨方法を検討した.各種研磨ペーストのなかで粗さ値および光沢度共に良好な値を示したものは,ダイヤポリッシャーペースト(GC)により研磨した場合で,表面粗さ値は0.047±0.017 μm,光沢度は268.3±1.5であった.次いで良好な値を示したものはダイレクトダイヤペースト(松風)により研磨した場合で,表面粗さ値は0.194±0.021 μm,光沢度は220.7±2.1であった.これは,これらの材料がCR研磨ペーストとして使用され,成分にダイヤモンドが配合されているためと思われる.一方,歯面研磨ペーストであるリナメルトリートメントペースト(サンギ),メルサージュ(松風),PTC PASTE (GC)はCR研磨ペーストと比較して,粗さ値,光沢度,共に劣る値を示したが,HAp膜未研磨面と比較すると粗さ値,光沢度ともに優れた値を示した.
すべて 2012
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Key Engineering Materials
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DOI:10.4028/www.scientific.net/KEM.529-530.229
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