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2012 年度 実績報告書

無血清培地において自己組織化単分子膜が間葉系幹細胞の増殖・分化に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 23792282
研究機関広島大学

研究代表者

平田 伊佐雄  広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (40346507)

キーワード再生医学 / 表面・界面物性 / 細胞・組織 / 幹葉系幹細胞 / 自己組織化単分子膜
研究概要

自己組織化単分子膜(SAMs)は化学的に規定されたモデル表面として、界面現象や分子間相互反応の研究に広く用いられている。また、血清培養液は様々な種類のタンパク質が含まれているが、含有タンパク質の組成を厳密に評価することは非常に困難である。それに対して、無血清培養液は含有物の種類および濃度が厳密に規定されている。
本研究は、化学的に規定されたmixed SAM基板を作製・培養基板とし、無血清培地を用いることにより、化学的に規定された培養基板・培養液中での細胞培養を行っている。既存の培養系において、培養結果に影響を及ぼす因子として、培養基板・培養液・細胞の状態があるが、そのうちの培養基板・培養液を化学的に規定することにより、培養の結果に及ぼす因子を細胞のコンディションのみに絞ることができる。
前年度において、幹葉系幹細胞(MSC)の増殖パターンを血清培地と無血清培地で評価したところ、血清培養液よりも無血清培養液の方が極めて高い細胞増殖能領域が検出された。また、軟骨細胞分化も細胞シート状で行うことができた。
本年度において、幹葉系幹細胞(MSC)の増殖パターンを無血清培地で更に評価したところ、動物種間において増殖パターンは似た形となったが、増殖が最大になる表面組成比はずれを生じることが示された。MSCは初代培養に時間がかかることが知られているが、無血清培地とMixed-SAMの組み合わせにより、その増殖量が播種2週間後で一般に使われている培養皿と比較して7倍ほど多くなることが示された。また、脂肪細胞への分化も、一般の培養皿と比較してMixed-SAMの上で効率よく行えることが示された。
本培養系は、適切な化学組成を有する培養皿と無血清培養液を組み合わせることによって、増殖や分化などの培養効率を向上することができ、細胞生物学や再生医療に顕著な進歩をもたらすものと期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Evaluation between Surface Chemical Composition and Cell Proliferation using Mixed Self-Assembled Monolayers2012

    • 著者名/発表者名
      Hirata I., Saskianti T., Kanawa M., Kawamoto T., Kato K., Kato Y.
    • 学会等名
      9th World Biomaterials Congress
    • 発表場所
      成都(中華人民共和国)
    • 年月日
      20120601-20120605

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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