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2011 年度 実施状況報告書

チタン表面改質による抗菌性インプラント材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23792289
研究機関北海道医療大学

研究代表者

長野 二三  北海道医療大学, 歯学部, 助教 (10534448)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードインプラント / 細菌付着 / 抗菌性 / ラクトフェリン
研究概要

本研究の目的は、「インプラントに使用される材料表面への細菌付着のメカニズムを解明することと、材料表面へ抗菌蛋白質を修飾し、抗菌性を持つインプラント材料の開発をすること」である。平成23年度の研究計画は、「試料作製方法の確立と、適切な研究条件の設定をすること」であった。 当該年度に実施した研究の具体的内容は、まず、純チタン、窒化チタンをイオンプレート法でコーティングした純チタン、イットリア安定化ジルコアを必要数用意し、鏡面研磨した。次に、上記試料と抗菌蛋白質(ラクトフェリン・LF)の結合方法について、化学的に修飾する方法と、LF溶液中に24時間浸漬し、試料表面に吸着させる方法を検討した。結果、どちらも試料表面にLFが存在していることが、X線光電子分光分析による、N 1sスペクトルのピークから確認できたため、以降の実験にはLF吸着の方法を採択することにした。 細菌付着については、プラーク形成の初期に関与する細菌として、S. gordoniiを選択した。実験に用いるための細菌の条件決め(濁度:OD600と菌数、適切な培地の選択、培養時間の設定)を行い、LF吸着試料と、対照群として水中に24時間浸漬した試料へのS. gordoniiの初期付着(OD600=1.0にPBSで調整した菌液と試料を2時間培養)について、クリスタルバイオレット染色により菌量の評価を行った。またLIVE/DEAD染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡にて、試料に付着した菌の生死を判定した。結果、全ての試料でLF浸漬群の細菌付着量が少なく、死細胞の量が多かった。 以上の結果から、インプラントに使用される材料表面に、容易に抗菌蛋白質であるラクトフェリンを存在させることができ、さらに細菌付着を抑制することが示された。この結果は、抗菌性インプラント材料の開発の基礎実験として重要な意義を持つ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度に行った研究は、平成24年の研究計画と多少前後する部分はあるが、研究は順調に進んでおり、平成23年度の目的はおおむね達成できた。しかし、平成23年度内に成果を発表することができなかったため、平成24年度では学会発表をする予定である。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、平成23年度にすでに着手したが、(1)LF吸着試料の細菌付着抑制効果について、他の条件下でも調べるとともに、プラーク形成中期、後期に優勢な菌など、他の細菌も調べる。(2)LF吸着試料の細胞への影響を調べる。(3)唾液蛋白質の吸着について調べる。また、平成23年度にやり残した、(4)試料の表面ぬれ性や電位を変え、細菌付着への影響を検討する。  また、国内や海外の学会で今までの成果を発表する。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度の研究費は年内に使用しきって、利息の89円しか残っていない。平成24年度の研究費の直接経費は500,000円であり、細菌培養用、細胞培養用の消耗品に使用する予定であるが、研究成果を発表することも計画しているので、学会発表の旅費(国内・海外)にも使用する必要がある。

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公開日: 2013-07-10  

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