今回申請者が提案・開発したエキシマUVランプの技術により、その封入体の材料を工夫することで他機関で既に報告のあるUVランプよりも、波長が短く、そのピークが極めて限局された歯科用機器を開発できた。前年度に試作機を製作し、波長特性を確認しており、その小型機器を開発できた。また現在、低圧水銀ランプにおいても一般的なものと違う波長分布がきわめて限局するランプを開発した。申請者が検討してきたワイヤ放電加工の技術と統合することで表面改質のメカニズムを解明でき、早期の機能回復および長期機能を明らかにした。 グロー放電モデルを用いナトリウムを主体にしたバイオミネラリゼーションの機序を解明し(Biomaterials.2004 May;25(10):1805-11)、同モデルを応用することでタンパク吸着においてもナトリウムとリン酸基が主体であることを報告した(J Dent Res. 2005 Jul;84(7):668-71)。液中放電を用いたモデルではチタン表面に抗菌性と高い生体親和性の両方を併せ持つ処理についても言及した。(Nanomedicine. 2012 Apr;8(3):374-82.)。その中で、チタン表面の酸化チタンがアナターゼ型であり適度な厚さを有すれば、紫外線照射により活性酸素が表面に発生し、その結果、骨質が改善されることを近年報告した(J Mech Behav Biomed Mater.2012 Jan 31)。ワイヤ放電加工表面も類似したアナターゼ型酸化チタン表層であることがすでに分かっており、上記の今まで検討した表面と比較検討することで新たな表面処理方法を提案した。
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