研究課題/領域番号 |
23792296
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
佐々木 穂高 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (50433959)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | インプラント / 骨代謝マーカー / インプラント周囲骨吸収 |
研究概要 |
本研究の目的は、全身的なBone Quality (BQ)の評価法である骨代謝マーカー検査で顎骨のBQの評価が可能であるか、またBQがインプラントの早期脱落について相関があるかを明らかとすることである。1年目は、「骨代謝マーカー検査と顎骨骨生検より評価したBQの比較検討」を主体として行なうために、骨代謝マーカー検査のデータ蓄積と骨組織の採取によるサンプル確保を重点的に行なった。まず本研究は、ヒト組織をサンプル用いてRNA発現量の検討を行なうことから、本学倫理委員会に申請を行ない、骨の採取量、全体的なサンプル数などの一部のプロトコルならびに研究参加への同意書に修正を行ない承認が得られた。現在、インプラント埋入手術において骨組織を採取を継続的に行ない、サンプルはRNA laterに浸漬し冷凍保存を行なっている。また、全身的なBQ評価法である骨代謝マーカー検査と放射線学的なインプラント周囲骨の骨吸収量について、統計学的な解析を行なった。インプラント埋入後1年目におけるインプラント周囲骨吸収量を従属変数とし、インプラント長径、アバットメント連結機構、埋入顎骨部位ならびに骨代謝マーカー検査を独立変数として多変量解析を行なった所、骨吸収マーカーであるデオキシピリジノリン(DPD)に正の相関関係が認められた。今後は、これらのデータを経時的に評価していくと同時に採取した骨組織のデータの相関性を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、骨組織を採取しRNA発現を定量することから、本学の倫理委員会の承認が得られるために骨組織の採取がおこう事が出来ず、前期はやや進行が停滞気味であったが、現在サンプルの採取は、順調に行なうことが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
骨組織採取においては、平成24年度より新たにインプラント執刀医に昇任された医局員の追加を倫理委員会への申請をしており、より効率的にサンプル採取を行なう事が出来る予定である。また、既に定量的リアルタイム-PCR法の準備は整っており、ある程度のサンプル数が揃った段階で骨関連遺伝子(オステオカルシン、Runx-2、BAPなど)の発現を計測し、比較検討をしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は顎骨のBQ評価を継続的に行なうために、継続的に骨代謝マーカー検査の計測ならびに骨組織のサンプル採取を行なっていく予定であり、前年度と同様に採取ならびに保管に必要な消耗品の購入していく。またサンプル数の確保に伴い、定量的RT-PCR法による分子生物学的実験ならびにマイクロCTを用いた放射線学的評価を行なうにあたり、試料作成ならびに計測に必要となる消耗品の購入も行なう予定である。
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