インプラント治療におけるリスク因子である骨粗鬆症は、骨密度の減少だけでなく骨質(Bone Quality = BQ)の低下が関与する。全身的なBQ評価法である“骨代謝マーカー検査”は、臨床的に有用な手段であることが知られている。本研究では、骨代謝マーカー検査が顎骨のBQ評価法として有用であるかを検討した。閉経後女性において、骨吸収マーカーであるNTXは下顎骨の骨構造パラメーターと負の相関性、骨吸収マーカーであるDPDが埋入12ヶ月以降のインプラント周囲骨吸収量と正の相関性が認められた。本結果から、骨代謝マーカー検査は顎骨の骨質に関与し、インプラント治療のリスク評価に有用であることが示唆された。
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