研究課題/領域番号 |
23792299
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
筒井 健夫 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (70366764)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 三次培養 / 口腔粘膜上皮幹細胞 / 歯髄幹細胞 / マイクロインジェクション法 / 上皮間葉相互作用 |
研究概要 |
本研究では、歯の発生に上皮間葉相互作用によるシグナル伝達が必須であることに着目して、マイクロインジェクション法を用いて、三次元培養下で口腔粘膜上皮細胞と歯髄幹細胞にタンパクを導入し歯の形態形成の誘導を行い、歯の形態誘導プロトコールを確立することが目的である。平成23年度は、1)マイクロインジェクション用の導入タンパクへの蛍光色素標識とレポーターアッセイ、2)細胞シートの構成とコラーゲンゲルを用いた三次元培養、3)マイクロインジェクション法によるタンパク誘導と歯の形態誘導解析を計画していた。1)マイクロインジェクション用の導入タンパクへの蛍光色素標識とレポーターアッセイについて。(1)導入タンパクへの蛍光標識は、ソニックヘッジホッグ(Shh)タンパクへAlexa Fluor 488を用いて標識を行っている。標識の際は、Shhの分子量が小さいためZeba Micro Spin Desalting Columnsを用いて精製を行っている。(2)レポーターアッセイ用の遺伝子は、ヒトPTCH1遺伝子のエクソン1を含む領域を用いて行っている。2)細胞シートの構成とコラーゲンゲルを用いた三次元培養について。(1)マウス胎児の歯胚上皮と歯胚間葉は単一細胞処理し、三次元培養を行っている。(2)平成23年度の研究期間内では、平成24年度に計画を予定している成体マウスの口腔粘膜上皮と歯髄幹細胞への応用を踏まえて、口腔粘膜上皮細胞と歯髄幹細胞の培養法の確立も行っている。3)マイクロインジェクション法によるタンパク誘導と歯の形態誘導解析について。三次元培養を行っている細胞へのマイクインジェクション法の確立を行っている。本研究の意義は、歯を喪失し食事や発音および顔貌の変化に関する機能障害と審美障害を患う患者に、安全かつ迅速に歯再生治療を行いQOL向上に努めることである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分子生物学的解析については、東京慈恵会医科大学分子生物学講座松藤千弥教授と講座の先生方に、また細胞培養やマイクロインジェクションを行うにあたり、日本歯科大学薬理学講座筒井健機教授と講座の先生方のご指導とご協力を賜り、当該研究はおおむね順調に進展しております。
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今後の研究の推進方策 |
成体マウスの口腔粘膜上皮細胞と歯髄幹細胞を用いて三次元培養を行う。その際、歯髄細胞は幹細胞マーカーであるScr-1の磁気ビーズを用いて幹細胞の分離を行う。分離した幹細胞はコラーゲンゲルを用いて培養を行う。また、口腔粘膜上皮幹細胞の培養時の、幹細胞の局在はp63抗体を用いた免疫染色より解析を行う。これら口腔粘膜上皮幹細胞と歯髄幹細胞との三次元培養では、蛍光標識タンパク導入を行い上皮陥入と歯の形態誘導効率の改善を計画している。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品費としは研究計画調書に記載した通り、タンパク導入関連試薬、マイクロインジェクション関連試薬、三次元培養関連試薬、免疫染色用試薬、実験動物用費用、および一般試薬の使用を計画している。
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