導入タンパクへの蛍光標識は、ソニックヘッジホッグ(Shh)タンパクをZeba Micro Spin Desalting Columsを用いて精製し、Alexa Fluor 488にて蛍光標識を行った。成体マウスの歯髄より細胞を採取し初代培養および継代培養を行った。歯髄より採取した細胞は、間葉系幹細胞マーカーであるCD105の磁気ビーズを用いて細胞分離を行った。CD105抗体を用いたフローサイトメーターによる解析では82.06%のCD105陽性細胞が確認され、幹細胞様の特性があることが観察された。 成体マウスの口腔粘膜上皮組織を採取し組織学的検査のためH-E染色を行った。H-E染色像より基底細胞層が確認され、口腔粘膜上皮細胞のマーカーであるp63抗体を用いた免疫染色より陽性像も観察された。マウスの口腔粘膜上皮組織より細胞単離を行い、マイトマイシン処理を行った歯髄幹細胞をフィダー細胞として初代培養および継代培養を行った。得られた口腔粘膜上皮幹細胞は温度応答性培養皿にてフィダー細胞を播種後、コンフルエントになるまで培養を行った。歯髄幹細胞においても、温度応答性培養皿にてコンフルエントになるまで培養を行った。 コンフルエントになった歯髄幹細胞と口腔粘膜上皮細胞は、細胞シートとして温度応答性培養皿から分離し、コラーゲンゲルを添加し凝固しておいた35mmディッシュ上で培養を行った。口腔粘膜上皮細胞をその上に培養し、積層培養を行った。タンパクを注入は積層培養部位を切り出し、オリエンテーションを変えて行い、口腔粘膜上皮細胞の基底細胞部に細胞の集積が見られ、歯髄幹細胞との間に上皮細胞の侵入様組織像が観察された。当該課題で研究した歯髄幹細胞と口腔粘膜上皮細胞の積層培養法により、上皮系細胞と間葉形細胞における相互作用が示唆された。
|