研究課題/領域番号 |
23792308
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
久保田 耕世 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (10529689)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 歯学 / 遺伝子 / 口腔粘膜炎 |
研究概要 |
平成23年度科学研究費の助成を受け、化学療法誘発口腔粘膜炎の革新的治療法の開発へ向けたRIG-Iの機能解析の研究を行った。本研究の目的は申請者らがこれまで解明してきた歯肉線維芽細胞のRIG-Iを介した感染防御機構を応用し、化学療法誘発口腔粘膜炎の新規治療法に向けた基礎的研究を行うことである。 抗悪性腫瘍剤と細菌・ウイルス感染による歯肉線維芽細胞のRIG-I発現について検討を行った。1、抗悪性腫瘍剤の口腔癌細胞への効果について:口腔癌細胞を培養用ディッシュで培養した後、培養上清中に様々な濃度のタキソテール・シスプラチンを添加し、細胞増殖試験を行い、最適添加濃度を決定した。2、抗悪性腫瘍剤添加による歯肉線維芽細胞におけるRIG-I発現について:1で決定した濃度のタキソテール・シスプラチンを培養歯肉線維芽細胞に添加し一定時間培養の後、RIG-I並びにCOX-2、各種炎症性サイトカインのmRNA発現を検討したところ、タキソテールとシスプラチンでRIG-Iの発現に差異が認められた。また、COX-2、各種炎症性サイトカインの発現も軽度上昇していた。3、抗悪性腫瘍剤並びに細菌・ウイルス感染によるRIG-I発現について:1と2の結果を基に、タキソテール・シスプラチン添加と同時に歯肉線維芽細胞にLPS(細菌感染を想定)、polyIC(ウイルス感染を想定)を添加し、一定時間培養の後、RIG-I並びに各種サイトカインのmRNA発現・タンパク産生を検討したところ、RIG-Iの発現上昇ならびにCOX-2、各種炎症性サイトカインの発現も軽度上昇していた。 以上を踏まえ、RIG-Iの化学療法誘発口腔粘膜炎の発生機序について、これから研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災後、政府から電力使用制限の要請があり、当研究機関においてもこの要請に応じ、協力した。このため、系統立った細胞培養実験が困難であったため、実験の進行状況が遅れていた。しかし、研究計画の変更は最小限にとどめ、次年度に繰り越しての研究が十分可能である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の大幅な変更はなく、申請書の予定通り研究を進めるものである。しかしながら、東日本大震災の電力使用制限のため、研究の遅延があるが、本年度に繰り越して行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画に大幅な変更は無く、申請書の通りに進める予定である。しかし、遅延した研究計画については、研究費を繰り越したため、次年度の研究遂行に資金的に支障なく遂行可能である。
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