研究概要 |
1.オーファン受容体の気管平滑筋上、気管上皮上での発現スクリーニング過去の報告でMAP kinaseやPI3 kinase調節作用を有するとされているオーファン受容体をスクリーニング標的として選択し、(1)正常ヒト気管平滑筋細胞/気管上皮細胞、(2)正常ラット由来の気管平滑筋組織/気管上皮組織で各オーファン受容体が発現しているかを、RT-PCR法で確認した。その結果、GPR40, 41, 43, 84, 119, 120, 132受容体が、ヒト気管平滑筋細胞/組織、ヒト気管上皮細胞/組織でのmRNAレベルでの発現を確認した。さらにwestern blot法及び免疫組織化学染色により、モルモット及びヒトの気管平滑筋及び上皮でのGPR40受容体の蛋白レベルでの発現を確認した。2.MAP kinaseリン酸化の測定Gs蛋白共役型受容体は、MAP kinaseリン酸化を抑制することで気道リモデリングを抑制するのに対し、Gi及びGq蛋白共役型受容体は、MAP kinaseリン酸化を促進させることで気道リモデリングを促進させるとされる。そこで、ヒト気管平滑筋細胞に、オーファン受容体作動薬を長時間投与した場合のMAP kinaseリン酸化を、Western blot法にて測定した。その結果、GPR40受容体(Gq蛋白共役型)アゴニストであるオレイン酸、ならびにリノレン酸によるERKリン酸化作用が確認された。次年度はこれらの結果を元に、更に詳細にわたって研究を行う予定である。
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