研究課題/領域番号 |
23792312
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小枝 聡子 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学非常勤講師 (00400391)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 体性感覚 |
研究概要 |
本年度は、大口蓋神経電気刺激装置による大脳皮質一次感覚野一次成分SEF記録データを再解析し、一次成分検出率向上をはかった。検出率の安定している大脳皮質一次感覚野後期成分の臨床応用として、舌神経感覚障害患者に対し、クリップ型電気刺激装置によりSEFを記録し、周波数解析をおこなった。従来の解析法に比べ、微細な信号源を推定することができた。従来の解析法による舌神経感覚障害患者によるSEFとの比較検討をおこなっている。さらに触覚刺激によるSEF計測をこころみた。触覚刺激による問題点であるトリガーの遅延を克服するため、トリガーのPC制御可能なピエゾ型触覚刺激装置を購入した。四肢、下唇触覚刺激によるSEFを記録し、比較検討をおこなった。下唇触覚刺激SEFでは、30ms付近に前向き反応が認められた。これまで報告されている15ms付近前向き反応の可能性が示唆されたが、トリガー時のアーチフアクトが大きく、30ms以前の反応を判定することができなかった。脳磁計は各会社により、センサタイプ、ヘルメットの仕様が異なる。四肢に比して、刺激部位と計測部位が近接する口腔領域は、さらなる改良が必要であることが示唆された。しかしながら、30ms付近に明瞭な反応を捉えることが可能であることから、検出率の安定により臨床応用の可能性が多いに期待された。口腔領域電気刺激における大脳皮質一次感覚野一次成分には、15ms付近の潜時、前向き反応、対側半球優位という特徴を有する。触覚刺激においても同特徴を有するか詳細に検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東北大学倫理委員会承認に時間を要したため、新たなボランテイア募集実施がおくれた。しかしながら、これまでの研究における問題点の分析から、新たな触覚刺激装置の安全性、工夫、綿密な研究計画を立案することができた。
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今後の研究の推進方策 |
約3ヶ月程度、研究者を被験者とし、一般ボランテイアに対する実施計画を確認する。すなわち、大口蓋神経電気刺激、下唇電気刺激装置、舌神経刺激装置によるSEF測定により得られた結果を、これまでの文献と比較検討する。さらにピエゾ型触覚刺激装置により四肢、口腔領域SEF測定をおこない、口腔領域電気刺激SEF測定と比較検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
一般ボランテイアに対し、時間給による謝金の支払いに研究費を使用する。刺激装置材料、刺激制御、データ管理のためのPC購入に研究費を使用する。その他、発表論文英文添削、投稿、成果発表旅費に研究費を使用する。
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