FADDを中心とした11q13.3領域遺伝子の機能解析を、口腔がん由来培養細胞における遺伝子組み換え変異型分子強制発現系を用いてがん発生機序を明らかにし、また、網羅的にゲノム構造異常を解析することにより、FADDのみならず11q13.3領域遺伝子の中で新たに重要であると予測される遺伝子についても検討することを目的とした。【11q13.3領域遺伝子の強制発現系における生と死への影響】11q13.3領域遺伝子の一つであるFADDの全長cDNAをクローニングし、発現ベクターにサブクローニングを行った。しかし、このベクターでのタンパク発現が非常に弱く、ウエスタンブロットで確認できない程度であったため、あらたにアデノウイルスベクターを購入し、サブクローニングをやり直すことになった。現在、ウイルスベクターへのサブクローニングは終了したが、発現の確認までは至っていない。 【遺伝子プロファイルでータを用いた11q13.3領域遺伝子の発現解析】口腔がん切除標本のホルマリン固定パラフィン包埋ブロックからDNAを抽出し、CGHマイクロアレイ解析を実施し、11q13.3領域の増幅を確認している。CGHマイクロアレイ解析の症例を増やすことで、11q13.3領域中の詳細な増幅範囲が絞り込まれ、11q13.3領域中でがんの発生、性質に関与する遺伝子候補が示された。
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