研究課題/領域番号 |
23792328
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
飯田 一規 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (30585237)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 再生医療 / 歯髄細胞 / iPS細胞 / 低酸素 |
研究概要 |
我々は、これまで若年者のヒト智歯から歯髄細胞(Dental Pulp Cell : DPC)を樹立し、DPCが高い増殖・分化能(ステムネス性:幹細胞性)を有し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)へ高率に誘導できることを明らかにした。また、高齢者からのDPCは、若年者に比べてはるかに樹立効率が低くステムネス性の維持も困難であったが、低酸素下での培養によりこれらの問題を解決するに至っている。しかし、高齢者から得られたDPCのiPS細胞への誘導効率は極めて低く、再生医療に応用するためには、今後、原因の解明と改善が必要な状況となっている。本研究では、若年者のヒト線維芽細胞からiPS細胞への誘導に特定期間の低酸素培養が有効であったとの報告に注目し、高齢者から得られたDPCで、どの程度の効果が得られるのかを検証するとと伴に iPS細胞化に最適な誘導条件について検討を行い、誘導効率の向上を目指した。今年度では、DPCからiPS細胞への誘導効率を上昇させる酸素培養条件について検討を行い、従来よりも約4~7倍のコロニー数を得られる条件を見出した。これは、若年者だけではなく、高齢者にも同様の効果をもたらした。この条件によって得られたiPS細胞は、免疫染色、realtime PCR法、テラトーマ形成、EB形成を行い、従来のiPS細胞と同等の未分化性、多分化能をもつことがわかった。この結果は高齢者のような少ない細胞数からの樹立に有意義であると考えられる。また、既発表の論文とは異なる条件であるため、低酸素研究に新たな提言を与えられる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
iPS細胞への樹立効率を向上させる条件を見出すことができ、主たる目的を達成できつつある。
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今後の研究の推進方策 |
iPS細胞への樹立効率を向上させたメカニズムについて解析を行う。また、酸素条件、年齢条件により樹立されたiPS細胞の性質の違いについて解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
酸素条件の違いにより、樹立の各段階で遺伝子・増殖・代謝等にどのような変化の違いが生じるか、realtime PCR法、マイクロアレー等による解析を行う。
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