本研究では、ヒト歯髄細胞(dental pulp cell;DPC)からiPS細胞誘導を行う過程において、低酸素を限られた期間のみ使用し、その誘導効率を上げることに成功した。この方法は、若年者のDPCのみならず、樹立効率の低い高齢者のDPCにも有用であり、iPS細胞による再生医療を高齢者に用いる上で、自家移植の可能性を高めた。また、この方法は、線維芽細胞を用いた既発表の論文とは低酸素培養の条件(期間)が異なるものであり、細胞により条件の検討が必要であることを示し、iPS細胞研究にも寄与したものと考える。
|