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2012 年度 実績報告書

Id2遺伝子欠損マウスを用いた顎変形症に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23792330
研究機関京都大学

研究代表者

塚本 容子  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 医員 (30437230)

キーワード顎変形症 / 分子生物学
研究概要

顎変形症は上顎骨と下顎骨の形態形成時の不調和により発症する。顎変形を伴う症候群は顎変形症全体の5%以下で、ほとんどの顎変形症は、成長に伴い顎変形が出現し思春期以降に顕著になる。顎変形症の分子メカニズムの一端を明らかにすることを目指し、Id2遺伝子欠損マウスの解析を行った。Euclidean Distance Matrix Analysis を用いて、Id2遺伝子欠損マウスの頭蓋顎顔面部を計測した。上顎骨の前後径の短縮は、出生直後には認めず、成長に伴い顕著となった。生後2週Id2遺伝子欠損マウスの頭蓋底軟骨結合部において肥大軟骨細胞層の狭小化と増殖軟骨細胞層でのBrdU陽性細胞数の減少を認めた。生後1週野生型マウス頭蓋底の器官培養において、BMP-2,4添加で肥大軟骨細胞が、BMP-7添加で増殖軟骨細胞が増加したのに対し、Id2遺伝子欠損マウスでは変化を示さなかった。Id2遺伝子欠損マウスの頭蓋底軟骨結合部において、BMPシグナリングに関わる分子のsemi-quantitative RT-PCRの結果、抑制型Smad7の発現が増加した。また、リン酸化Smad1, 5, 8陽性軟骨細胞数が減少した。以上より、Id2遺伝子欠損によりSmad7の発現が増強し、BMPシグナリングが抑制されたことにより成長期における頭蓋底軟骨結合部の軟骨細胞の分化増殖が障害され、顎変形症が発症したと考えられた。以上の研究は顎変形症発症の遺伝要因の解明に貢献し、今後の顎矯正治療の発展に寄与するところが多い。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Phenotypes of CCAAT/enhancer-binding protein beta deficiency: hyperdontia and elongated coronoid process2013

    • 著者名/発表者名
      B Huang, K Takahashi, T Sakata-Goto, H Kiso, Y Togo, K Saito, H Tsukamoto2, M Sugai, S Akira, A Shimizu, K Bessho
    • 雑誌名

      Oral diseases

      巻: Volume19 Issue2 ページ: 144-150

    • DOI

      10.1111/j.1601-0825.2012.01963.x.

    • 査読あり
  • [学会発表] Id2遺伝子は上顎骨形成時にBMPシグナリングの下流で軟骨形成を制御する

    • 著者名/発表者名
      塚本容子、高橋克、喜早ほのか、別所和久
    • 学会等名
      日本骨代謝学会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫県)

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公開日: 2014-07-24  

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