腫瘍などで下顎骨の区域切除後は顎欠損が生じ、それを補う方法としてプレート再建、腸骨移植や腓骨移植などの骨移植による再建、仮骨延長などが行われている。しかし、従来の再建法では、区域切除時に失った下歯槽神経は回復せず、オトガイ神経麻痺は残存したままである。そこで申告者は本研究において、区域切除後の顎欠損に対し、仮骨延長にて顎の再建を施行する際、同時に下歯槽神経 をも延長させることで、下歯槽神経を回復させうることを電気生理学的、免疫組織学的に確認した。 また、陳旧性の顎欠損についても同様に仮骨延長により下歯槽神経の再生を試みたが、瘢痕が著しく、下歯槽神経の退化もあり、再生を確認できなかった。 研究結果は3つの論文にまとめ、発表することができた。
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