仮骨延長の中でも移動骨片を1個作製し全欠損長を移動させるbifocal distraction osteogenesisは、下顎骨の区域切除後の顎欠損に対し有用であるが、その際の下歯槽神経の再生についての報告はない。本研究では、イヌの下顎骨仮骨延長術を用い、下歯槽神経再生の可能性について検討を行った。 ビーグル犬12頭を用い、左側下顎骨骨体部に近遠心径10mmの幅の下歯槽神経を含めた欠損を作製し、仮骨延長を行った。延長後、電気生理学的・免疫組織化学的検索を行い、再生した神経について検討した。 結果、下歯槽神経の再生が機能的・形態的に確認された。課題はあるが、ヒトへの応用も将来的には可能と思われる。
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