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2011 年度 実施状況報告書

改良リポソーム製剤による「苦味薬物」効果的経口投与法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23792341
研究機関岡山大学

研究代表者

友安 弓子  岡山大学, 大学病院, 医員 (40594809)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード歯科麻酔学
研究概要

これまでの研究で苦味のある抗不安薬ミダゾラム(注射製剤)を封入したリポソームを開発したが、1週間しか封入率の安定性が保てず、苦味の消失も完全ではないと考えられる。本研究では長期保存法の検討および甘味の付与を目的とし研究を実施している。平成23年度はミダゾラム封入リポソームの臨床応用のための改良として凍結乾燥法の確立を目的に研究を開始した。凍結乾燥により封入薬剤の保持率が低下するが、トレハロースを加えることにより安定性が向上するとの報告より、脂質フィルムに加える塩酸溶液と、ミダゾラム封入リポソーム懸濁液に加える緩衝液に濃度の異なるトレハロースを加えて封入率の保持を検討した。まずは懸濁液中の封入率に差が出るか、また最も高い封入率が得られるトレハロースの濃度を検討したところ、トレハロースが10%で最も高く92%の封入率が得られた。また3週間後の保持率も86%と軽度低下を認めたのみで安定性が得られていた。しかし、トレハロースを添加して凍結乾燥を行ってもミダゾラムの保持率が低下したままであったため、polyethylene glycol (PEG)を修飾することを更に検討した。リポソームの組成中に加えるPEGの濃度を変えて検討したところ、PEGを加えると、どの濃度においてもやや封入率が低下するが、PEG9%で最も高い80%の封入率が得られ、3週間後も保持率が維持できた。トレハロースおよびPEGを添加したのち凍結乾燥したが、依然凍結乾燥後の保持率が保てないため、今後はリポソームの組成の構成成分の割合を変えて凍結乾燥後の保持率を検討したり、凍結乾燥時の冷却時間や温度といった方法について検討を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

23年度の目標であったトレハロースの添加やpolyethylene glycolの修飾によるミダゾラム封入リポソームの安定性や凍結乾燥後の封入率の検討を行えた。

今後の研究の推進方策

トレハロースやpolyethylene glycolを添加したミダゾラム封入リポソームをリポソーム作製時の組成や懸濁液、凍結乾燥後の溶解液を変えたりすることで、凍結乾燥後の封入率の保持を図ることを検討する。ミダゾラム封入リポソームの凍結乾燥法が確立した後、さらにin vivo実験での薬理作用の確認を行う。

次年度の研究費の使用計画

実験に必要な物品の購入や研究成果の発表や研究に関する知識向上のための学会参加の旅費に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 経口用ミダゾラム封入リポソームのナノ化およびPEG化の試み2011

    • 著者名/発表者名
      迎和生、友安弓子、林知子、前田茂、宮脇卓也
    • 学会等名
      第39回日本歯科麻酔学会総会・学術集会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2011年10月9日

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公開日: 2013-07-10  

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