研究課題/領域番号 |
23792341
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
友安 弓子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40594809)
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キーワード | 歯科麻酔学 |
研究概要 |
これまでの研究で苦味のある抗不安薬ミダゾラム(注射剤)を封入したリポソームを開発したが、1週間しか封入率の安定性が保てず、苦味の消失も完全ではないと考えられる。本研究では長期保存法の検討および甘味の付与を目的とし研究を実施している。 平成23年度は凍結乾燥法確立のための前段階の研究を開始した。まずは凍結乾燥法や安定性の向上が言われているトレハロースやPEGをリポソーム作成時に加えて、安定性の向上を検討した。トレハロースやPEGの濃度を変えて比較した結果、10%トレハロースを加えると高い封入率が得られ、3週間後も保持率が維持できることを確認した。またいずれの濃度に置いてもPEGの添加によりやや封入率が低下するが、PEG9%で最も高い封入率が得られ、3週間後の保持率は維持できることを確認した。 平成24年度はトレハロースおよびPEG添加なし、10%トレハロース添加あり、10%トレハロースおよび9%PEG添加ありのミダゾラム封入リポソームの凍結乾燥を行い、比較検討した。リポソームへのミダゾラムの封入率は添加なし20%に比べ、10%トレハロース添加ありでは27%と増加していたが、10%トレハロースおよび9%PEG添加ありでは12%と低下していた。今後は更なる凍結乾燥後のリポソームへのミダゾラムの封入率を上昇させるため、添加するトレハロースの濃度やリポソームを細粒化することを検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度に得られた結果をふまえ、最も適した濃度のトレハロースやPEGを添加して、凍結乾燥法後のリポソームへのミダゾラムの封入率の向上を検討できた。
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今後の研究の推進方策 |
凍結乾燥後リポソームへのミダゾラムの封入率の向上を図るため、添加するトレハロースの濃度や細粒化することを検討する。ミダゾラム封入リポソームの凍結乾燥法が確立した後、さらにin vivo実験での薬理作用の確認を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験に必要な物品の購入や研究成果の発表や研究に関する知識向上のための学会参加の旅費に使用する。4月初旬の実験に必要な物品を購入するため次年度の分の研究費8752円を使用した。
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