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2013 年度 実施状況報告書

舌痛症を画像診断する~脳機能画像を用いて

研究課題

研究課題/領域番号 23792348
研究機関広島大学

研究代表者

土井 充  広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (30412620)

キーワード慢性疼痛 / 舌痛症 / 脳機能画像 / 破局的思考
研究概要

舌痛症患者の病態における心理的要因や認知行動モデルを確立するために、まず破局的思考(痛みの反芻、無力感、拡大視)や不安、怒り、癌恐怖などについての質問紙調査を行ったところ、健康ボランティアに比べ有意に患者群で破局的思考や不安、怒りが強く、また、破局的思考や不安が強い患者ほどに普段の舌の痛みを強く感じていることが判明した。
次に、この認知特性に則した情動賦活試験として、怒り顔と中性表情の視覚刺激と、強弱2種類の電気刺激をランダムな組み合わせで与え、主観的な痛みの強さの評価を行う課題を作成し、健康ボランティアで行ったところ、怒り顔から受ける情動刺激は主観的な痛みを優位に増強させることが判った。そこで、慢性的な頭痛を有するボランティアを対象に、この情動賦活試験と、上述の質問紙調査、日常の頭痛強度の主観的評価を行い、比較検討を行ったところ、破局的思考や不安は日常の頭痛強度とは相関して強くなる傾向にあったが、怒り顔による痛みの増強とは有意な相関は示さなかった。このことは、今回の情動賦活刺激は慢性痛よりも急性痛に類似した電気刺激となるためで、破局的思考や不安の情動は慢性痛により影響する感情・認知であることが考えられた。
現在は、舌痛症患者を対象にf-MRI撮像下で、この情動賦活試験を行い、脳機能的にはどのように変化しているかを検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

情動賦活試験の試作を繰り返し、時間を要したため、期間延長する形となった。
f-MRI撮像に同意してもらえる対象患者が無事に集まれば、今後は遅滞なく進んでいくと考えられる。

今後の研究の推進方策

f-MRI撮像による評価を行った後、患者群に対して、デュロキセチンによる投薬治療を行う群と、認知行動療法による介入を行う群に分け、疼痛改善後にも同様の評価を行う縦断的な調査を考えている。

次年度の研究費の使用計画

情動賦活試験の試作に時間を要し、f-MRI撮像開始が遅れたため。
f-MRI撮像費用として主に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 破局的思考と癌恐怖は舌痛症を慢性化する2013

    • 著者名/発表者名
      土井充 吉野敦雄 吉村晋平 田中圭介 吉田啓太 石井裕明 岡本泰昌 入舩正浩
    • 学会等名
      第18回日本口腔顔面痛学会学術大会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ
    • 年月日
      20130712-20130713

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公開日: 2015-05-28  

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