口腔扁平上皮癌発現のEphrin-B2がリンパ節転移に寄与するかどうかを検討した。SAS-L1細胞にEphrin-B2-siRNAを導入したところ、ヒトリンパ管内皮細胞への接着能、細胞間遊走能が有意に低下するとともに、SCIDマウス舌の移植モデルでは転移頸部リンパ節数が有意に減少した。また、口腔扁平上皮癌1次症例50例の原発巣生検組織を用いてEphrin-B2の発現程度と臨床病理組織学的特徴との関連について検討した結果、N分類、異型度、YK分類による浸潤様式との関連が認められた。これらの結果より、口腔扁平上皮癌においてEphrin-B2はリンパ節転移を正に制御している可能性が示唆された。
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