研究課題/領域番号 |
23792373
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
山本 哲彰 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50397923)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | ナノフラーレン / 光線陸学療法 |
研究概要 |
ナノフラーレンの口腔癌への光線力学療法への応用への基礎研究を実施中であり、現在の成果として、口腔癌細胞株を4種類培養継続中(HSC2、HSC3、HSC4、Ca9-22)であり、今後も培養を持続する予定である。 可能であれば、初期より無血清培養系での実験を行うため、安定した培養を行うためのそれぞれの細胞におけるgrowth factorの至適濃度を検索中である。 口腔癌細胞へのナノフラーレンの導入条件の検討をヒト口腔癌細胞株HSC3、HSC4を用いて行っている。今後培養条件が安定してくれば他の2種類(HSC2、Ca9-22)においても検討予定である。培養メディウムに混和するだけでは取り込み効率が悪いが、培養メディウムおよびナノフラーレンの混和濃度等の条件については現在も検討中である。また光照射の至適条件設定を行っている。以前の光線力学療法の実験を行った経験から、光照射の光源としては1000ワットスライドプロジェクターを使用している。プロジェクターから標的細胞の距離を細胞表面の照度が20000ルックスになるように調整しており、現在のところ50cmの距離が至適であると考えている。今後実際に光線力学療法を施行し、微調整を行う予定である。 これまでに超音波導入装置(ソニトロン2000)を用いてナノフラーレンを導入した経験が有るが、実際の臨床においては静脈内投与による使用を考えているため、可能な限り培養メディウムに混和する方法を検索する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度中にin vitroでの基礎研究を完成させ、次年度ではin vivoでのより臨床に近づけた実験を行う予定であったが、現在のところ、条件設定が完全に決定されておらず、3次元培養系に至っていない。 今後は早期に条件設定を完了させて、ヌードマウスを用いた実験系に移行することを目標とする予定である。
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今後の研究の推進方策 |
培養細胞およびナノフラーレンの濃度等のベースとなる実験を早期に行い、3次元培養系、ヌードマウス実験系とより臨床に近い研究へと移行する予定である。 ナノフラーレンの導入効率が悪い場合は超音波導入装置を用いてを導入する方法も考慮に入れて進めて行く予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
主にナノフラーレンの購入および口腔癌細胞株の維持に用いる試薬、機器などに使用予定である。 また、ヌードマウス実験系への移行ができ次第、ヌードマウスの購入費用および飼育費用にも使用する予定である。 また、成果の発表もための学会参加および論文作成、投稿費にも使用予定である。
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