研究課題
超音波造影ガス(パーフルオロプロパン)を封入した新規リポソーム(バブルリポソーム)と超音波を併用することにより、癌細胞や滑膜細胞に効果的に薬剤やプラスミドが導入できた.同バブルへの抗癌剤の封入が困難であったため、ドキソルビシン内包PEGリポソーム製剤であるドキシルに超音波造影ガスを封入し、新規ナノバブルリポソームの作製に成功した.ヒト歯肉扁平上皮癌細胞Ca9-22細胞においてドキソルビシン封入バブルリポソームと超音波の併用による致死活性効果について調べた.超音波照射96時間後では、コントロール100%に対し,EDBLと超音波を併用群では3.7%と有意な細胞数の減少を認めた.超音波照射48時間後では、コントロールと比較し、EDBLと超音波を併用群のみ細胞質が膨張し、形態的変化を認めた.またSubG1期の著明な増加を認めた.さらに、EDBLと超音波を照射した群で細胞核の断片化を認め,またアネキシン陽性細胞と、アネキシン陽性かつPI陽性細胞の増加が認められた.細胞死がアポトーシスによるものと考えられた.またドキシルと同様のリポソーム製剤として抗真菌剤であるアムホテリシンBを内包するリポソーム製剤であるアムビソームに注目した.アムビソームに超音波造影ガスを封入し、アムホテリシンB封入バブルリポソームを作製した.同バブルと超音波を併用することにより,抗真菌効果が増強するのを確認した.
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