研究課題/領域番号 |
23792389
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
筒井 友花子 (中野 友花子) 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (20434144)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 塩酸リドカイン / 塩酸デクスメデトミジン / 局所麻酔 / 循環 / 鎮痛 |
研究概要 |
当該年度に実施した研究の具体的内容はハンモック様の布およびスタンドと、テールフリック法にて使用されている従来の鎮痛効果測定装置を改良し、新しい鎮痛効果測定装置を開発したことである。新しい鎮痛効果測定装置の特徴は、ラットをハンモックにて吊るし、テールフリック法で用いられている赤外線を利用し、その赤外線照射受容部位を足底にすることで尾動脈を使用した非観血的血圧との同時測定を可能としたことである。新しい鎮痛効果測定装置は従来の鎮痛効果策定装置から発せられる赤外線を照射することで足底に侵害刺激を加え、その刺激を感知した時点でラットが足を引っ込める反射を利用し、鎮痛効果を検証するものである。この装置の開発により、尾動脈を使用した循環動態の変化と鎮痛効果の同時測定が可能となった。将来的には、薬剤を投与された足底に対して赤外線を照射し、その足を引っ込める反射までの時間により投与薬剤の鎮痛効果の検証を予定している。 当該年度に実施した研究の意義は循環器系疾患を保有する患者に対し、安心して使用出来る局所麻酔薬を開発することである。副作用として血圧上昇や心機能異常を引き起こすアドレナリンに代わり、交感神経の作用を抑制し血圧を安定させる塩酸デクスメデトミジンを添加した塩酸リドカインの有効性を証明する事により医療従事者が高血圧症患者や高齢者に安心して使用できる局所麻酔薬の開発の糸口となる。 当該年度に実施した研究の重要性はこれまでの報告から国内外において塩酸デクスメデトミジン添加塩酸リドカインは、アドレナリン添加塩酸リドカインよりも循環動態に影響を与えず、強力な鎮痛作用をあらわす局所麻酔薬になるのではないかと期待されている点である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度において、当所の予定通りに鎮痛効果測定装置を開発した。また、開発した鎮痛効果測定装置の効果を海外の学会にて発表した。学会において当該研究の成果は、国内外の研究者より高い関心を示された。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度に開発した鎮痛効果測定装置を用いて「塩酸リドカイン」、「アドレナリン添加塩酸リドカイン」および「塩酸デクスメデトミジン添加塩酸リドカイン」の鎮痛効果、および作用持続時間と循環動態変化の比較検討試験を行う。また、「塩酸デクスメデトミジン添加塩酸リドカイン」の鎮痛効果と作用持続時間、および循環動態の変化を正常ラットと高血圧ラットを用いた比較検討試験でも行う。 当該年度の研究は順調に進展したため、動物購入数が少なく、動物購入費用を少なくすることが出来た。よって、発生した次年度に使用する予定の助成金は単価が比較的高額な高血圧ラットの購入に使用予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は研究に使用する薬剤の購入、動物の購入および国内外の学会発表時における旅費等に使用予定である。
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