研究課題/領域番号 |
23792389
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
筒井 友花子(中野友花子) 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (20434144)
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キーワード | 塩酸リドカイン / 塩酸デクスメデトミジン / 局所麻酔 / 循環 / 鎮痛 |
研究概要 |
当該年度に実施した研究の具体的内容は前年度に開発した「新しい鎮痛効果測定装置」を使用し、塩酸デクスメデトミジン添加塩酸リドカインの局所麻酔薬効果を正常ラットを用いて検証したことである。 具体的には、まず、正常ラットの後足底に「生理食塩水」「塩酸リドカイン」または「塩酸デクスメデトミジン添加塩酸リドカイン」を局所投与した。その後、後足底に侵害刺激として赤外線照射を行い、ラットが足を引っ込める反射までの時間により投与薬剤の鎮痛効果を比較検討した。また、同時に血圧と脈拍を測定することにより、塩酸デクスメデトミジン添加塩酸リドカインが循環動態に与える影響も検証した。特に当該年度は塩酸デクスメデトミジンの局所麻酔薬および循環動態に対する有効濃度の検証を中心に行った。 当該年度に実施した研究の意義は循環器系疾患を保有する患者に対して安心して使用できる局所麻酔薬を開発することである。一般的に、副作用として血圧上昇や心機能異常を引き起こすアドレナリンに代わり、交感神経の作用を抑制し血圧を安定させる塩酸デクスメデトミジンを添加した塩酸リドカインの有効性を証明することにより、医療従事者が高血圧患者や高齢者に安心して使用できる局所麻酔薬の開発の糸口となることである。 当該年度に実施した研究の重要性はこれまでの報告から国内外において塩酸デクスメデトミジン添加塩酸リドカインはアドレナリン添加塩酸リドカインよりも循環動態に影響を与えず、強力な局所麻酔薬になるのではないかと期待されている点である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度において、予定通りに通常ラットに対して塩酸デクスメデトミジン添加塩酸リドカインの局所麻酔薬としての有効性を検証した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、正常ラットおよび高血圧ラットに対して「塩酸デクスメデトミジン添加塩酸リドカイン」と「アドレナリン添加塩酸リドカイン」の効果の比較検討を行う。特に循環動態についての変化を中心に検証していく。 当該年度の研究は順調に進展したため、使用薬剤の購入が少なくすることが出来た。よって発生した次年度に使用する予定の助成金は単価が比較的高価な高血圧ラットの購入に使用予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は研究に使用する薬剤の購入、動物の購入および学会発表時における旅費等に使用予定である。当該年度は研究が順調に遂行できたため、動物の購入費および薬剤の購入費を少なくすることが出来た。よって、発生した次年度に使用する予定の助成金は単価が比較的高価な高血圧ラットの購入に使用予定である。また、本研究結果を広く世間に公表するために学術雑誌への投稿も視野に入れており、その投稿料としても使用する考えである。
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