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2011 年度 実施状況報告書

口腔粘膜疾患の癌化に関わる病態形成および獲得免疫機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23792391
研究機関鶴見大学

研究代表者

熊谷 賢一  鶴見大学, 歯学部, 助教 (10518129)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード口腔粘膜疾患 / ErbB family gene / 口腔白板症 / 口腔扁平苔癬
研究概要

口腔白板症は前癌病変のひとつとされているが、病態形成および癌化に関わるメカニズムについては不明な点が多く、はっきりと解明されていない。そのため、白板症の病態形成ならびに癌化に関わる分子生物学的マーカーの同定が診断治療学的にも期待されている。 Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) familyは上皮増殖に関わるチロシンキナーゼ受容体の癌遺伝子のひとつであり、これまで口腔扁平上皮癌での過剰発現が報告されているが、口腔前癌病変におけるEGFR familyの発現様式についてはほとんど解明されていない。しかしながら白板症は過角化を伴う前癌病変であることから、その病態形成ならびに癌化の過程においてEGFR familyが関与している可能性が高いと考えた。 本年度は口腔粘膜疾患(扁平苔癬,白板症,紅板症)生検あるいは切除時および口腔癌手術時の切除材料を採取して、Total RNAを抽出し、定量PCR法による遺伝子発現解析を行った。とくに、癌遺伝子のひとつとされるErbB familyに着目し、口腔白板症病変部の発現量を解析した結果、白板症はErbB4が正常口腔粘膜と比較して有意に高発現しており、そのErbB4遺伝子発現量は上皮異型性と相関関係にある事が明らかとなった。さらに、白板症はErbB family(ErbB1-3)間の共発現を伴っていることが明らかとなった。ErbB4の過剰発現は口腔扁平上皮癌を含む様々な癌において報告されており、口腔前癌病変や口腔扁平上皮癌におけるErbB4の核染色は癌化及び癌成長に関与しているといった報告もなされているので、来年度は免疫染色を実施して解析を進めて行く予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨床サンプル採取および遺伝子発現解析まで終了しており、初年度の進行度としては順調であると考える。

今後の研究の推進方策

平成24年度は免疫染色の実施、およびその他の癌化した口腔粘膜疾患の調査を加えて論文作成を進めて行く予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度は免疫染色の実施がされていなかったので、直接経費の残額分が発生した。平成24年度は免疫染色用抗体の購入、免疫染色の実施、その他の定量PCR法による解析を直接経費より捻出して実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 口腔白板症および口腔扁平苔癬の病態形成に関わるEGFR family の発現解析

    • 著者名/発表者名
      小林浩, 熊谷賢一, 江口貴紀, 重松宏昭, 和気昌宏, 濱田良樹
    • 学会等名
      第56日本口腔外科学会総会
    • 発表場所
      大阪(大阪国際会議場)
    • 年月日
      平成23年10月21日

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公開日: 2013-07-10  

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