研究課題/領域番号 |
23792391
|
研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
熊谷 賢一 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10518129)
|
キーワード | 口腔粘膜疾患 / ErbB family gene / 口腔白板症 / 口腔扁平苔癬 |
研究概要 |
本年度は口腔前癌病変である白板症生検あるいは切除時の検体を採取して免疫染色を実施した。白板症検体組織における基底細胞から上皮にかけてのケラチノサイトにErbB4が発現していた。この結果は定量PCR法による遺伝子発現解析と相同しており、さらにErbB4遺伝子発現量は上皮異型性と相関関係にある事が明らかとなった。この過剰発現は口腔扁平上皮癌を含む様々な癌において報告されており、口腔前癌病変の癌化に関わるシグナル伝達系として重要である可能性が示唆された。以上の結果をまとめて、論文としてInternational Journal of Oral Scienceに投稿し掲載受理された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
癌化の病態形成に関わるシグナル伝達のひとつとして知られているEpidermal Growth Factor Receptor(EGFR)を介したシグナル伝達が白板症の病態形成や細胞異型性に関与していることを明らかにした。以上の結果をまとめて海外医学雑誌に論文投稿し掲載受理された(Int J Oral Sci. 2013 Apr;5:14-20)ので、進行度としては計画以上に順調であると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は前癌病変から口腔癌へと移行した検体組織を用いることで、口腔粘膜疾患の癌化メカニズムに関与する抗原特異的免疫応答の有無およびEGFR シグナル伝達の関与を検討し, 口腔粘膜疾患の癌化メカニズムの解明を進めて学会発表および論文発表を行っていく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|