研究課題/領域番号 |
23792397
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
安東 佳代子(橋本佳代子) 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (10388366)
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キーワード | 脱分化脂肪細胞 / 脂肪幹細胞 / 骨組織再生 |
研究概要 |
交付申請書作成段階では脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いた末梢神経再生に取り組む予定であったが、実験内容を一部変更し、DFATを用いた骨組織再生の研究に従事した。 大阪歯科大学「医の倫理委員会」による承認後、患者の同意を得て、口腔外科手術時に切除されたヒト頬脂肪体からDFATと脂肪幹細胞(ASC)を獲得し、骨芽細胞分化誘導培地(DMEM + 20%FBS、デキサメタゾン、βグリセロリン酸、Lアスコルビン酸2リン酸添加)を用いて14日間培養を行った。骨芽細胞分化能の評価としてアルカリフォスファターゼ、オステオカルシン、カルシウム発現量の測定、アリザリンレッド染色を行った。また両細胞の細胞表面抗原をフローサイトメトリーを用いて解析した。 アルカリフォスファターゼは培養開始3、7日目、オステオカルシンは14日目、カルシウムは7、14日目においてASCと比較してDFATは有意に高い発現量を示した。アリザリンレッド染色ではDFATはASCと比較してカルシウムの沈着を示す赤く染色された領域が広範囲に観察された。フローサイトメトリーによる解析ではDFATは単球マーカー(CD11b)の発現が認められず、間葉系幹細胞マーカー(CD90、CD105)の発現が認められた。またASCではDFATと比較してCD11bを発現する細胞が多く認められた。 DFATはASCと比較して骨芽細胞分化マーカーの発現量が高く、骨芽細胞分化能が高いことが示唆された。DFATはASCよりも異種細胞の混入が少なく(CD11bなど)、播種した細胞集団に含まれる未分化な細胞の割合が高いことから、ASCと比較して骨芽細胞分化マーカーの発現量が上昇したと推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した通り、DFATの獲得には成功したが、再生の標的器官を末梢神経から骨組織に変更したため、平成24年度中に予定していたDFATと人工神経管を組み合わせた移植実験はまだ行っていない。しかし、大型動物であるイヌの皮下脂肪由来DFATはすでに獲得済みであり、今後移植実験を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はPCR法にて頬脂肪体由来ヒトDFATにおけるnestin(神経幹細胞マーカー)、βIIItublin(ニューロンのマーカー)、GFAP(星状膠細胞のマーカー)の発現を評価していくつもりである。ヒトDFATでの発現が確認されれば、自家移植モデルであるイヌDFATに関しても同様の解析を行いたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は主に実験動物とその飼育代、細胞培養用試薬(培養液、血清、成長因子など)、細胞培養用消耗器具(ピペット、フラスコ、遠心管など)、分子生物学実験試薬(PCR試薬など)の購入に充てる予定である。また実験結果から得られた知見を専門学会で発表する際の学会参加費、旅費なども研究費から支出する。
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