現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本邦における永久歯多数歯欠損に関する大規模な疫学調査が日本小児歯科学会学術委員会を中心として行われ、小児歯科学雑誌(第48巻・第1号 平成22年3月25日発行)で報告された。それによると、調査人数15,544人の10,09%に永久歯の先天欠如が確認されている。その中で5歯以上の先天欠如が0.87%に確認され、本邦においても遺伝性多数歯欠損症例を疑う例は少なからず存在することが視された。しかしながら、口腔遺伝性疾患はその症例数が少ないことから、国内での症例収集/研究にとどまらず、海外との情報交換が非常に重要となっている。現在韓国ソウル大学小児歯科准教授Jung-Wook Kimとの共同研究を行っており、口腔遺伝性疾患に関する新たな知見が2011年Oral Diseasesに掲載された。"S-K Lee, K-E Lee, Y-H Hwang, M Kida, T Tsutsumi, T Ariga, J-C Park, J-W Kim" Identification of the DSPP mutation in a new kindred and phenotype-genotype correlation. Oral Diseases 2011April Vol17(3) 314-319.さらに、当該年度は関連施設で父と子に発症した口腔遺伝性疾患を疑う新たな家系を検出した。発端者の患児は永久歯32本中22本欠損、発端者の父は永久歯19本欠損が確認された。本症例に対し遺伝子解析を行った。
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