研究課題/領域番号 |
23792412
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
星 健治 東北大学, 大学病院, 医員 (90569964)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 骨細胞 / アポトーシス / CTGF / メカニカルストレス |
研究概要 |
骨細胞のアポトーシスはメカニカルストレスを負荷された骨組織の骨リモデリングにおいて重要な働きをすると考えられている。しかしその詳細なメカニズムは不明な点が多く、本研究ではin vitroで結合組織成長因子(Connective Tissue Growth Factor; CTGF)との関連から骨細胞のアポトーシスのメカニズムを検討することとした。 15日齢のニワトリ胚頭蓋骨より骨細胞を単離した。単離された細胞はニワトリ骨細胞に特異的に結合するモノクローナル抗体OB7.3を用いた免疫染色により高純度の骨細胞であることを確認し、その後の検討に使用することとした。単離した骨細胞はMasudaら(J. Biotechnol. 2008)の開発したストレス負荷培養装置に播種し、圧縮力を負荷した。 圧縮力負荷後の骨細胞をTUNEL染色したところ、TUNEL染色陽性細胞数が対照群に比べ有意に増加し、圧縮力負荷によりアポトーシスが誘導された。また、このときカスパーゼ3の活性も対照群に比べ有意に上昇した。さらに圧縮力負荷を行った骨細胞におけるカスパーゼ8、9およびBcl-2遺伝子の発現を検討し、骨細胞のアポトーシスの経路を検討した。 圧縮力負荷を行った骨細胞におけるCTGFの発現を検討した。リアルタイムPCR法によりCTGF遺伝子の発現を検討したところ、圧縮力負荷群で対照群に比べ有意に上昇した。また、圧縮力負荷を行った骨細胞でCTGFの免疫染色を行ったところ、対照群に比べ多くの陽性細胞が観察された。さらに、圧縮力負荷培養を行った骨細胞の培養上清中のCTGFタンパクの発現をウェスタンブロッティング法により検討したところ、発現の上昇が認められた。 以上より圧縮力を負荷した骨細胞でアポトーシスの誘導とCTGFの発現の上昇が起こることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に示した平成23年度の計画の内容はほぼ達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、骨細胞のアポトーシスとCTGFとの関連を検討する。具体的には、リコンビナントCTGFタンパク処理を行ったときのアポトーシスの検討や、CTGF中和抗体処理を行ったときのアポトーシスの検討を行う。さらに、骨細胞のアポトーシスに対するCTGFの作用機序の検討を行う。MAPKに着目し検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
充分量の骨細胞を単離するためのニワトリ有精卵を購入する。骨細胞培養のための培養用器具や試薬、また細胞・分子生物学的検討を行うための試薬を購入する予定である。
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