研究課題/領域番号 |
23792416
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
茂木 瑞穂 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60422474)
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究は、Streptococcus mutans の病原性の指標として、従来から調べられていたグルコシリトランスフェラーゼ(gtf)ではなく、バイオフィルムの質を評価するために、バイオフィルム形成能やバイオフィルムの構造に着目し、S. mutans の母子感染との関連について研究を行うことを目的としている。具体的には、DNAマイクロアレイを用いて我々が現在までに解析してきたS. mutans のバイオフィルム調節やクオラムセンシングに関わる遺伝子が母子間の伝播・定着にどのように影響を及ぼしているのかについて研究を行っている。 本年度は、既に我々がDNAマイクロアレイを用いて解析したS. mutans のバイオフィルム調節に関わる遺伝子の74のうち、SMU832(hypothetical protein),833(putative glycosyltransferase)について引き続き研究を行った。昨年度、Wild Type UA159に対し、SMU832 mutant とSMU833 mutantの BHIやTSB w/o dextrose 培地における増殖曲線においては差が認められなかったが、TSB w/o dextrose +sucrose 培地における増殖曲線においては、差が認められたため、本年度は、sucroseを構成しているglucoseとfructose下における増殖の違いを検討した。その結果、fructose下において、増殖曲線に明らかな違いが認められ、来年度学会発表を行う予定である。 また、今年度はもう一つの目的である、本大学歯学部附属病院小児歯科外来を受診している母子よりプラークと唾液を採取し、S. mutansを分離することができた。同母子ペアの口腔内環境の指標として、dmftや唾液pH値、および唾液緩衝能も測定し、これに関しては解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、日本小児歯科学会50周年記念大会の主幹を務めた上、2012年3月に教授が定年退職したため、様々な行事があり、医局の体制も変わり、予想していた研究に対するエフォートを割くことが物理的に不可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
SMU832 mutant, SMU833 mutant を利用して、Glycosyltransferaseのバイオフィルムにおける影響を探索するだけでなく、Streptococcus mutansの歯面付着や定着に関わると考えられる解糖系、細胞膜での役割を追及していきたい。 また、今年度、臨床分離株および対応した口腔内環境のデータを増やすことができたので、解析を進めたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
以前より研究室にあったオートクレーブの老朽化が進んでいるので、本研究では必須であるため新規購入を予定している。また、Isma社製ペリスタリックポンプやStavall Life Science社のフローセルシステム関連品の購入も考えている。細菌培養には、高額な培地だけでなく、ディスポーザブルのtube やplateなどが必須のため消耗品購入を予定している。 次年度は、EUROBIOFILMSや日本細菌学会、歯科基礎医学会での学会発表を予定している。
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