研究課題
近年、小児肥満の増加が問題視されており、肥満児の出現頻度は約30年間で3倍に増加している。肥満はインスリン抵抗性と心血管疾患を発症する重大な危険因子である。疫学的および実験動物による研究により、成人期における肥満やそれに関連する代謝性疾患の起源は、遺伝的あるいは環境的要因によるものだけでなく、周産期における要因との関連があることが示唆されるようになった。そこで本研究課題では、抗老化・寿命延長効果のあるカロリー制限を授乳期の母獣に応用し、その仔の体重および摂食量の変化、代謝関連因子の変化を検索するとともに代謝関連疾患の発症との関連について検索を行う。出産後にカロリー制限を開始した母獣の仔の体重は、対照群に対して優位に減少していた。離乳後、自由摂食下において飼育を行ったところ、生後8週においてカロリー制限下の母獣により育てられた仔の摂食量は対照群に対して優位に増加しており、体重に差は認められなかった。また、生後24週においては、摂食量と体重に差は認められず、キャッチアップしていた。生後8週と24週における血中グルコース濃度は、カロリー制限下の母獣により育てられた仔において優位に低かった。このことから、授乳期における母獣へのカロリー制限は、その仔の成長に影響を及ぼし、特に糖代謝に影響を与えることが示唆され、インスリン感受性への影響も予想される。現在、代謝関連の血中のパラメーターの検索と、インスリン感受性臓器におけるシグナル伝達系や遺伝子発現について、検索を行う予定である。
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