矯正的歯の移動時歯周組織の骨代謝は、歯根膜細胞により調節される。Osteoactivin(OA)は、骨硬化症モデルラットからその原因遺伝子として同定され、その骨形成性の働きが牽引側の骨形成への関与の可能性がある。また圧迫側の骨吸収は、骨吸収促進だけでなく骨形成抑制が働いている可能性がある。 この研究では、矯正的歯の移動時の歯根膜細胞において、牽引側の骨形成にはADAM12、ADAM17によるシェディングを介したOAの活性化が関与し、また圧迫側の骨吸収に至適矯正力でAsporin、弱い矯正力ではSOST/sclerostinのような骨形成抑制因子の発現と放出が関与している可能性を示した。
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