研究課題/領域番号 |
23792445
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
佐藤 友紀 昭和大学, 歯学部, 助教 (00384339)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 炭酸ガス |
研究概要 |
(研究意義・重要性)炭酸ガスの矯正治療への応用は殆どない。本研究は炭酸ガスによる骨代謝活性効果に着目し、歯の移動の迅速化について検討した。本研究はPRP及び炭酸ガスの矯正治療上の有用性の確立という臨床目標と、現在不明な炭酸ガスの骨代謝、特に骨吸収・破骨細胞への影響を解明する基礎歯学的な目標の二つの面をもつ。(研究成果目標)1.骨のリモデリング(歯の移動)における炭酸ガス・PRP効果の解明A)単独使用または併用によって歯の移動量、期間に差があるかを解明する。B)各群ごと歯の移動時の歯根周囲の形態学的影響を組織学的に観察し、応答領域を特定する。2.炭酸ガス・PRPによる歯の移動後の脈管形成及び歯周組織(骨)の動態についてC)骨形成の動態についてはカルセイン、TCの蛍光染色により代謝活性を確認する。(具体的内容)11週齢のWistar系ラット(雄)を使用。上顎切歯・第一臼歯間にNi-Ti closed coil(トミー)を装着し、矯正力約10gにて第一臼歯を移動した。移動モデルをControl群(C群)、PRP群(P群)、炭酸ガス群(Co3群)の3群にわけ、P群には0.05ml/100gのPRPを、 C群、 L群には同量の生理食塩水を装置装着時に口蓋に局所投与した。その後 Co3群は、炭酸ガスを口腔内に一日おきに30秒間噴霧をした。歯の移動1、3、7日後にラットを固定し、μ-CT撮影後、脱灰、包埋し切片を作成、光顕にて骨吸収形成動態の観察を行った。全群とも歯の移動距離は経時的に大きくなり、P群、 Co3群、 C群の順に移動した。現在CTにて7日例までの移動距離を計測、その後組織所見観察のためHE染色、TRAP染色にて染色し、破骨細胞の活性を観察中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
短期的に研究結果が得られると予想される3点についてA)グループ別の炭酸ガス・PRPの効果について、A)グループ別の炭酸ガス・PRPの効果についてB)炭酸ガス・PRP投与における歯の移動時の形態学的影響(光顕)、C)骨形成の動態 以上報告予定であったが島津らの方法による歯の移動モデルは矯正力をかけるコイルと歯をセメントにて接着しており外れやすい。そのため、統計データにかけるモデル数が現在不十分であり、さらなる追加実験を必要とする現状である。
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今後の研究の推進方策 |
炭酸ガス・PRP投与による破骨骨芽細胞の分化誘導因子の組織学化学的検討についてA)追加実験による動物モデル作成と長期の歯の移動モデル作成 B)炭酸ガス・PRP投与が骨芽細胞系細胞、破骨細胞及び食細胞系の細胞の増殖と分化に及ぼす影響について定量、形態学的に確認する・免疫細胞化学(TRAP染色)による細胞反応の同定C)血小板由来因子の分布動態について組織化学的に検討する平成23、24年度研究および研究内容まとめ、成果発表全研究結果について報告予定
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次年度の研究費の使用計画 |
炭酸ガス・PRP投与による破骨骨芽細胞の分化誘導因子の組織学化学的検討についてA)追加実験による動物モデル作成と長期の歯の移動モデル作成 [経費] 平成23年度実験に順ずるB)炭酸ガス・PRP投与が骨芽細胞系細胞、破骨細胞及び食細胞系の細胞の増殖と分化に及ぼす影響について定量、形態学的に確認する・免疫細胞化学(TRAP染色)による細胞反応の同定C)血小板由来因子の分布動態について組織化学的に検討する[経費] 染色用薬剤、染色用抗体、写真用品平成23、24年度研究および研究内容まとめ、成果発表全研究結果について報告予定[経費] 成果発表、外国語論文校閲、研究成果投稿料
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