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2012 年度 実施状況報告書

コンソミックマウスを用いた下顎角の大きさを規定する遺伝要因の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23792450
研究機関日本大学

研究代表者

小川 京  日本大学, 歯学部, 助教 (20453889)

キーワード下顎角 / 近郊系マウス / コンソミックマウス
研究概要

本研究は下顎角の大きさを規定する遺伝子が存在する染色体領域について検討し,さらにコンソミックマウスを用いて,その染色体が下顎角の大きさにどのような影響を与えているかを明確にすることを目的として行っている。まず,下顎角の大きさが異なる2系統の近交系マウス(下顎角の角度の大きいC57BL/6系統および角度の小さいC3H系統マウス)を交配し,F1マウスを得て,さらにF1マウス同士を交配させF2マウス30匹を得た。これらマウスの下顎骨を3か月齢にて摘出し,下顎角の大きさを測定した結果(85度~99度)に分布した。またこれらマウスのDNAを腎臓より抽出し,第1~19番染色体それぞれにC57BL/6系統およびC3H系統間で多型のあるDNAマーカーを設定し,PCR-電気泳動法にて各F2マウスの遺伝子型を分析している。現時点においてD13Mit76プライマーを用い,PCRで増幅し遺伝子型の判定をしたところ,下顎角の角度が小さいマウスはC3Hホモ型およびヘテロ型を示したのに対し,角度が大きいマウスは1匹を除いてB6ホモ型およびヘテロ型を示した。このことから,このマーカーの近傍に下顎角の大きさを規定する遺伝 子が存在する可能性が示唆された。次に,B6‐Chr13MSMコンソミックマウスの下顎角の大きさを3か月齢にて測定し た結果,C57BL/6系統よりも小さかったことから,13番染色体が下顎角の大きさの規定に関わっている可能性が示唆された。一部研究計画を変更しラットの上顎臼歯を抜歯し粉末飼料にて飼育を行い,下顎角を開大させ,次世代以降にどう影響を与えるかについて検討したところ,1~3世代に比較し4世代でさらに開大することが示唆された。下顎角の大きさと遺伝要因との関連性が少しずつ解明されており,小児歯科臨床においても,顎顔面領域の成長予測に応用することが期待され意義があると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コンソミックマウスの下顎角を測定するため、交配を行っているが、匹数を増やすのに時間がかかるため。

今後の研究の推進方策

本研究は下顎角の大きさを規定する遺伝子が存在する染色体領域について検討し,さらにコンソミックマウスを用いて,その染色体 が下顎角の大きさにどのような影響を与えているかを明確にすることを目的として行っている。しかしながらコンソミックマウスの交配に時間を要するため,その対応策として研究計画を一部変更し,wistar系ラットを用いて上顎臼歯を5週齢にて抜歯し粉末飼料にて20週齢まで飼育することにより下顎角を開大させ,これが次世代以降にどのように影響していくのかについても検討している。また,マイクロCTを用いた下顎角の経時的変化の検討や骨形態計測も行っている。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Jawbone morphology in rats with extracted maxillary molars reared on powdered diet2012

    • 著者名/発表者名
      Hisayoshi Muramatsu,Xi Zhang,and Kei Ogawa
    • 雑誌名

      International Journal of Oral-Medical Science

      巻: 11 ページ: 211-217

    • 査読あり
  • [学会発表] 上顎臼歯抜歯および粉末飼料下にて継代飼育したラットにおける顎骨への影響2013

    • 著者名/発表者名
      小川京,柴崎兼次,山本晴子,清水武彦,前田隆秀
    • 学会等名
      第51回日本小児歯科学会大会
    • 発表場所
      長良川国際会議場(岐阜)
    • 年月日
      20130523-20130524
  • [学会発表] Effects of mastication dysfunction in parental rats and progeny2012

    • 著者名/発表者名
      Kei Ogawa, Xi Zhang, Hisayoshi Muramatsu, Takahide Maeda
    • 学会等名
      American Association for Dental Research
    • 発表場所
      Tampa, Florida(America)
    • 年月日
      20120521-20120524
  • [学会発表] 上顎臼歯抜歯および粉末飼料がラット顎骨に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      小川京,張渓,阿保憲興,前田隆秀
    • 学会等名
      第50回日本小児歯科学会大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム(東京)
    • 年月日
      20120512-20120513

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公開日: 2014-07-24  

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