本研究は、骨代謝調節因子の1つである副甲状腺ホルモン(PTH)・副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)の受容体(以下PTH-R)の恒常活性を示すことが知られているJansen型変異PTH-Rによって誘導される分子病理、特に骨・軟骨における作用について、そのシグナリング経路と細胞分化異常をin vivoで解明することを目的としている。昨年度までに、Jansen型PTH-Rの細胞内局在とシグナリング経路について、in vitroでの解析を行っており、その後さらにtype II collagen promoter / enhaner cassetteに、in vitro の実験でその機能を確認したJansen型PTH-R遺伝子を組み込み、マイクロインジェクションに用いるvectorの構築を行った。 本年度(最終年度)は、構築したvectorをマウス軟骨細胞のプライマリーカルチャーへトランスフェクションを行い、その発現の確認を行った後、研究委託によりマイクロインジェクションを行いJansen型PTH-Rを軟骨特異的に発現するトランスジェニックマウスを作製した。その後、胎生18日齢のFounderマウスの尾より抽出したゲノムを用いて、PCR法によりtansgeneが組み込まれたマウスのスクリーニングを行った。さらに、controlマウスおよび陽性マウスの組織標本作製を行い、組織異常解析を行った。
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